立川談之助 × ぼぼ寄席

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ぼぼ寄席 第一席

立川談之助 ロリコン漫談

文/藤森洋介


立川流真打ちの落語家にして、今から20年以上も前にロリコンをカミングアウトしたのが立川談之助である。

今回、そんな立川談之助師匠のネタである『ロリコン漫談』を収録させて頂いた。

『ロリコン漫談』とは所謂ロリコンを題材にした小咄である。収録させて頂いたものはフリー視聴できるので、是非ともお楽しみ頂きたい。

しかし、そもそもなぜロリコンをテーマにして小咄にしようと思ったのか。

ここでは『ロリコン漫談』を作った経緯などについて触れてみる。



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 やろうと思ったのは根がそうだから(笑)。まぁ、本当のエッチな落語だと、快楽亭ブラックさんがいるから。あれはもう専門家ですからね(笑)。だからブラックさんの出来ないやつをって。要は隙間産業ですよ(笑)。色んな人がやってるのを聞いて覚えたり、本や何かにあるやつを持ってきたりしてね。



「根がそうだから」。やはり自分が好きな事でないとできないということだ。さて立川流といえば落語会のカリスマ、家元の立川談志がいる。師匠である談志から受け継いだ噺もあるのだろうか。



 うちの師匠の談志なんかはフランスジョークみたいなのをやるんですけど、読んでみると面白いんですけど、話すとイマイチなんですよ。師匠のは綺麗だから。でも普通の落語をエロくしちゃったのは師匠の落語でありますね。『短命』というものがあるんですけど、その噺の内容は、婿に入った男がみんな死んじゃう。それは、娘さんが綺麗で、男もやることがなくヒマだから、毎日、毎日やり過ぎて死んじゃうという落語なんですけど、うちの師匠はわざとドロドロとエロくしたと言ってます。うちの師匠は露悪的なとこがあるから、ここまでならいいけど、これ以上は駄目っていうのを平気で越えていきますからね(笑)。




笑いながらそう語る。しかし談之助師匠がやる『ロリコン漫談』は名の通り、ロリコンを題材にしたもの。最近では何かと規制がかかり、世間一般では眉をひそめるテーマだ。お客さんからの反応はどうのようなものだろうか。



01.jpgおばさんにはバカウケなんですよ(笑)。ただ、子供のいるときはやりません。まぁ、今の子供の前でやってもそんな驚かないと思いますけど、一応ね。若い女性や、子供がいるときはやらないようにしてます。本当は別にやる必要もないんですけど(笑)。といってもあくまで落語ですから、お客さんを興奮させるためじゃないからね。セックスをそのまま表現するっていうわけでもないし、落語だから当然サゲがある。いわゆる言語さえ出てこなければテレビでやろうが、ラジオでやろうが、それほど問題でもないと思うんですけどね(笑)。鶴光さんなんかはエロ小咄で売れ出したわけですからね。だいたいしゃべりなわけだし、官能小説をそのまま読むわけでもないから。



あくまで落語の世界の中の話なのである。我々が思っているより世間はそんなに過敏になっているわけでもないと談之助師匠は語る。立川流はエロに関しては寛容なのだろうか。



 うちの師匠は反社会的だろうがなんだろうが構わない人ですからね。マリファナ吸って1年牢屋に入ったら真打ちだっていう人ですから(笑)。刑務所は稽古に一番いいって言ってましたよ。時間はいっぱいあるし(笑)。だからそんなに驚いたりというのはないですね。建前と本音を嫌う人ですから。やることやればどんなことやろうと何も言いません。



想像通りというか、やはり談志あっての立川流。師匠の破天荒さが弟子にも引き継がれているのだろう。そして最後に今後の展望をお聞きした。



 我々は先が見えませんね(笑)。あまり規制されちゃうとねぇ。ちょっと関係するものまで規制されちゃいますから。少しは生き残れる余地を作って欲しいよね。専門でやってる人にはたまらないでしょ。それを肩書きにしているような人もいるし、そういう人はつらいと思いますよ。ロリコン落語といっても、やらなくてもいいわけですから(笑)。ただ子供が出てくる落語もダメだっていったら、それこそ落語の文化もお終いでしょ。それはちょっと大袈裟かもしれないけど(笑)。規制したとしても潜在的にロリコンはいる。隠れキリシタンみたいになるんじゃないですか(笑)。色々考えてあの手この手でがんばりますよ。今更熟女系になれったってなれませんから(笑)。何とか生き残れるようにがんばります。



どうかこれからも隠れキリシタンの為に『ロリコン漫談』を続けて欲しいものである。これも一つの文化なのだから。



立川談之助(たてかわ だんのすけ)

1953年生まれ。74年、立川談志に入門し落語家の道へ進み、92年真打に昇進。ロリのみならずオタク系の知識も豊富であり、と学会会員の顔も持つ。VOBO内の『ヒロイン手帖』参照。



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