《ボンクラ童貞編集者からの人生相談》 杉作J太郎編

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ボンクラ童貞編集者からの人生相談

杉作J太郎

いま女にモテない男っていうのは選ばれた男、逆に、若くして女とイチャイチャしてる男はクズ野郎。

取材/童貞編集者チェリー平尾


女性とキスはおろか、話すだけでも緊張してガチガチになってしまう童貞編集者。その女性に対する免疫の低さは、プライベートどころか業務にまで支障をきたす有り様であった。今までさしたる困難もなく、のうのうと生きてきたボンクラ青年に降りかかってきた人生最大の試練。壁にぶちあたり途方に暮れた彼は、悩みを解決する光明を得るべく、待へ繰り出していったのだ。果たして彼は救われるのだろうか? 明日はどっちだ?



──みなさん、お待たせしました。本日お招きしたのは童貞問題のスペシャリスト・杉作J太郎さんです。よろしくお願いします。


J これまではどのような講師の方がこのコーナーに登場したんですか?


──AV男優の加藤鷹さんや元AV女優の川奈まり子さんとか……。


J あ〜、彼らは一軍コーチですよ。一軍といったらセックスバリバリの優等生。童貞は二軍コーチのボクに任せてください。ところでニッタさんは今おいくつですか?


──24歳です。


J ぜんぜん問題ないじゃないですか。まぁ、本人はシンドイんでしょうけど、ボクから見たらたいしたことないですよ。まずね、ボクらとは時代が違うんですよ。TVドラマやマンガでもね、彼女がいないヤボテンが主人公だったんです。今は主人公に彼女がいて当然ですよね。海外でもスパイダーマンやバットマンには彼女がいるじゃないですか。ボクらの時代はね、女心なんててんでわからないような男に、女が一方的に惚れるんだけど、男は取り合わない。これがカッコ良かったんです。古い話ですけど、矢吹ジョーとか星飛雄馬とか梶原一騎さんが描く主人公なんてほとんどが童貞ですよ。

 渡哲也さん主役の刑事ドラマでもね、女性とつきあっているシーンなんてありゃしませんよ。童貞であることは男子として生きる上で何らマイナスではない。いや、却って童貞であることでヒーロー性が増すんです! どんなにモテてても、こっちが取り合わなければ童貞のままである。だからモテなかったんじゃない。オレは取り合わなかったんだ! というね。そういう立ち位置、これが大事なんですね。


──なるほど! そこには気がつきませんでした。まさにコペルニクス的発想ですね。


J 女にモテようと思えば簡単なんです。ファッション、音楽、食事やヘアスタイル、何から何まで女に合わせていけばたぶん童貞なんてすぐ捨てられます。今、童貞の人は悔しくてそれをチョイスできないんです。男として生きていたいんですよ。時代が変わってもそういう男は大勢いるんです。今、女にモテてない男というのは、我々から見ると選ばれた男、やる気のある男ですよ。逆に若くして女とイチャイチャしている男は、ハッキリ言いますとね、女に迎合した〈クズ野郎〉ですよ! 何度言ってもかまいません。クズです! ボクがお金持ちだったらTVスポット打ちたいくらいです。〈女に迎合してイチャイチャしているヤツはクズだ!!〉と。


──あ〜っ、なんかスッキリします。でも、実際問題として童貞を早く捨てたいんです。


J しばらくは二軍戦です。一軍で投げようなんてとんでもない。一軍で投げることがセックスすることであるならば、今はオナニーですよ! 一生懸命良いオナニーすることを心掛けてください。適当なオナニーじゃなくて、オカズも毎日変えて、セックスのイメージもモデルの女のコによっていろいろ膨らませてください。素晴らしいオナニーなくして素晴らしいセックスはありません。どんな球が来ても打てるようになるには、あらゆるオナニーを自分の中で想定しなければなりません。そのためにはね、やはり常に新しい写真集、DVD、エロ雑誌をとにかく消費、消費ですよ!


──エロ業界にはありがたいお言葉です。ありがとうございます!でも、最近はネットでタダでネタを拾う人が多くて……。


J エロにお金を回さない時点でセックスをないがしろにしていると言わざるをえません。エロにお金を使う人ほど早くセックスにたどり着けます。お金がないならバイトするなりして稼ぎなさい。人生において自分の中に優先順位をきちっとつけないとダメです。最優先は〈女〉であると。そうすればおのずと童貞を捨てるタイミングも増えるんです。


──今は格差社会でお金のない若者が増えています。自分の経済力では女性に相手にされないのではないか、という不安があるのですが……。


J 確かに女性の場合、経済力というものがすべての状況で大きくものを言いますからね。食事をするにも高級レストランに行ったほうが女性の気分が良くなるのも事実でしょう。しかし、お金がないのを凌駕する男らしさを身につければ何の心配もいりません。女性というものはね、自分の中で辻褄さえ合えばそれでいいんです。「なぜ、私はこの男の前でマタを開いているんだろう?」という問いに何でもいいから答えを与えてやればそれで納得するんです。金もない、男らしくもない、口を開けば出てくるのはアイドルの話ばかり…こうなると救いようがありません。何かひとつでいいから特化したものを身につけるべきです。アニメが好きならね、日夜ただアニメのためだけにがんばってごらんなさい。気がついたらガンダムシリーズの監督になっているかもしれない。そしたらおのずと女のマタがパカ〜ン! ですよ。全てに目配せして動きが止まっている状態が一番良くない。そうすると最後には女に迎合するしかなくなるんです。男道をどんどん磨いていけば、そのうち何かの事故が起きて童貞なんかどっかにいっちゃいますよ。


──J太郎さんが童貞を失った時もそういう状況だったんですか?


J そうです。ボクの20代は男磨きを相当してましたので、かなり男らしかったハズです。ある女性にアタックしたとき、その女性は最終的にボクの目の前でマタを開いたわけですが、それは「愛」というよりも「本能」だったと思いますね。女性にはオスに対するメスの本能があるので、そこにかけるべきです。動物界全てでオスとメスは結ばれるように出来ているんです。

 ところが、男らしさを捨てたオスは女に迎合するしかないのに、プライドがあるから迎合もできない……そういう男が童貞の渦に巻き込まれていくんです。モテもしないのに、男道を磨かないヤツは出口のない童貞スパイラルにはまってしまうんですね。「マ○コのどの辺を触れば気持ちいいですか?」と聞くような男じゃなくて、いきなり突進してくるような男とヤリたいというのが女性の本能です。女は強い男に屈伏するように出来ているんですよ。男道さえ磨いていれば絶対に大丈夫です!!


──なんか安心してきました。だけどボクのようなアイドルオタクでも男道は磨けるでしょうか?


J もちろんですよ! カワイイ女のコが好きだというのは男として当然のことです。カワイイ女のコが一生懸命がんばっていたら励ましたり、応援してやりたいと思うのが男というものでしょう? それにね、アイドル歌謡の歌詞は男を磨くのに実にいいんですよ。下手な恋愛の教則本よりもタメになるくらい、女心をよく表現していますからね。特につんくさんみたいに女性関係でものすごく苦労されたであろう男性の書く歌詞はとても勉強になります。アイドルソングを朝から晩まで聞いている人はね、遊んでいるように見えて実はものすごく勉強している人なんです!

 例えばスマイレージのデビュー作『夢見る15歳』は、女性として理想の恋愛を一生懸命歌っています。これはほとんどの女性に共通した内容だと思いますね。いつか女のコと仲良くなったらこの歌を思い出して「女のコたちが夢見ている」ことを実践してあげたらね、女性は喜ぶと思いますよ。


──そうだったのかぁ。なんか自信が湧いてきました! だけど、女性と付き合うとなると、どうしても時間が拘束されてしまいますよね。『ももクロ』のライブとデートの時間が重なった場合どうしたらいいでしょうか?


J そんなの悩む必要は全くありません。『ももクロ』を優先すればいいんです! 男が女の言いなりになると、その男にオスの魅力がなくなるんですよ。女性から4回連絡があって3回は出動できないくらいでちょうどいいんです。男だってこちらのメールにホイホイ返事よこす女はバカにしてしまうでしょう?
だから『ももクロ』のライブにどんどん行けばいいんです! ボクがハロプロにハマっていたときはコンサートの3日前から一切、女からの電話には出ませんでした。精神汚染されてしまいますから。ベストの状態でコンサートに臨みたかったんです。

 それにね、仲間と行く約束をした『ももクロ』のライブの日に、女のコとのデートを優先するようなヤツの人生は終わりです! そんなヤツは三下以下。友達や後輩もいなくなるし、クズ一直線です。女が相手ならクリトリスを触っていればそのうち機嫌が良くなるんです。男の機嫌を取るのは大変です。チンチン触ったって誰も喜ばないですからね。


──最近はアイドルだけでなく、萌えアニメにもちょっとグラッときているんですが……。


J う〜ん、萌えアニメが難しいのはね、男としての立ち位置を喪失してしまう人がときどきいることなんですよ。「『けいおん』に出てくる女のコとつきあいたい」じゃなくて、「あの仲間に入りたい!」と思って、アニメの中の女のコに同化してしまうとね、話がややこしくなるんです。「あずにゃんと付き合いたい!」という気持ちで見る分には萌えアニメも全く問題ないんですが……。ボクもね、綾波レイとつきあっているつもりでこの10年くらい生きてきましたが、同化したことは一度もないんですよ。


──わかりました。気をつけます。では、この辺で実際に女のコを口説く具体的なアドバイスをいただけますか?


J 本当に好きな人と恋愛しなさい。好きじゃない人と恋愛してもね、たいてい凡打に終わりますよ。その女性が本当に好きなら、何もしなくても自然に態度に出ますよ。そしたら向こうもアナタのことを気になってきます。「この人、どうしたのかしら? おかげんでも悪いんですか?」ってことになる。ここで誤魔化してはいけません。本当のことを素直に言えばいいんです。「綺麗な人を見て気が動転してしまいました」と。本当のこと以外言わなければ人間は基本的にうまく行くもんなんです。それが言えるかどうかですよ。

 ここでバカな童貞は平静を装って「綺麗なヘアスタイルですね」とか言うわけですよ。しかも、童貞というのはね、やたらは高見に立ちたがるもんだから「髪形はここをもうちょっとこうしたほうがいいよ」なんてケチをつけるんですよ。本当にバカですよ。


──ウッ、なんか痛いところつかれた感じです……。


J それにモテない童貞というのはすぐにこじつけるんです。『ももクロ』で言えば、「ボクは前山田さんのファンなんです」とか言うんですよ。だったらヒャダイン聞いてろよ!ってことでしょ? 童貞がツイッターでアイドルを論じているのを見ると「70年代のアメリカンロックにおける……」とか講釈タレているんです。はいはいはい、そういうのはもういいよ〜って感じですよ。そういうのをね、女性が見たらカチン!とくるんですよ。「好きなクセに。どうせオナニーしてるんでしょ!」って透けて見えてしまっているわけですから。童貞はね、洗いざらい正直になることが大切なんです。


──確かにそうなんですよね……勉強になります。


J そうそう、この前、久しぶりに握手会に行きましたよ。真野ちゃんと握手したら、こんな素晴らしいことが世の中にあるのか!と思いましたね。みなさんも握手会は行ったほうがいいですよ。男らしさが養われます。結局ね、ボクもまだ男磨きの最中なんですよ。カープで言えば高信二さんですかね。その球団にずっといて、気づいたら二軍のコーチになっていたというタイプ。二軍コーチはね、実生活で苦労してないとなれません。才能のない人を育てていく職業ですから。ニッタさんもね、どうしてもダメだったらボクが主催している『男の墓場プロダクション』の門を叩いてください。ここは童貞の駆け込み寺と言われています。


──そうさせていただきます。本日は本当にありがとうございました!


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(この記事はコアマガジン刊『スーパー写真塾』からの転載です)

杉作J太郎
1961年生まれ。男の墓場プロダクション代表。漫画家、ライター、映画監督、ミュージシャンなど多彩な顔をもつ日本サブカル界を代表する偉人。現在は映画監督業・文筆業を中心に活躍。吾妻ひでお原作作品の映画化『チョコレート・デリンジャー』を現在鋭意製作中。




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