エロ年代の想像力 第二十四回

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エロ年代の想像力

#24  『セーラー戦士 ヴィーナス・ファイブ』

アニメルカ出張版


 エロ年代魔法少女たちを規定する「輪姦の理」。前々回定義したこの輪の先をたどっていったとき、必ずやぶつかる作品が『セーラー戦士 ヴィーナス・ファイブ』である。


『セーラー戦士 ヴィーナス・ファイブ』
(監督:井上修/ふくもとかん、製作:ダンディライオン、全2巻、1994年)



 1998-1999年に放映された大人気魔法少女アニメ『カードキャプターさくら』。(やはり触手で陵辱もされる)エロ年代的魔法少女アニメ『SeptemCharm まじかるカナン』(2000-2003年)が、その影響下で企画されたパロディ作品であることはいまさら言うまでもないだろう。しかし戦う魔法少女アニメとは、『CCさくら』に端を発するものではない。その歴史はさしあたり、『美少女戦士セーラームーン』(1992-1997年)まで遡ることができる。ならばエロ年代的「輪姦の理」の歴史もまた、その時代までたどり直すことができるのではないか。


 「明けの明星・金の星、宵の明星・金の星、空に輝く金星がある限り、この世に邪悪は栄えない。セーラー戦士、ヴィーナス・ファイヴ。天に代わって、許しません!」。耳なじみのあるセリフとよく似た名乗りをあげ、セーラー服コスプレ風俗嬢のような衣装をまとう五人の魔法少女たちが、淫魔皇帝・ネクロスたちとの戦いを繰り広げる。


 とはいっても、「金星」という時点で「ゴールデンボール」なのだから、彼女たちはもともと輪姦の星の下に生まれ落ちた存在であったと言って良いだろう。現に、悪を倒すよりも触手攻めに喘ぎ苦しむ様こそが魔法少女の活躍となるエロ年代的環境においては、ネクロス(≒セクロス)ら淫獣による辱めを引き受ける彼女たちの姿は、正しく輪姦の理に導かれていた。金星からのメッセンジャーが「猫」として描かれていたように、彼女たちは触手/異種族姦に対して「ネコ」の役割に徹することになる。


 ただひたすら輪姦されること。戦う魔法少女たちをめぐるこのエロ年代的性質(性の質)は、すでにここに花開いている(花から女性器を連想する必要はない)。




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『セーラー戦士 ヴィーナス・ファイブ』





 以上、0721文字。なお、レビュー内で触れた「ネコ」というビアン用語も、もともとネクロスが「欲張りオマタのフタナリ」こと両性具有であったのだから、ヴィーナス戦士たちがネクロスの攻めを受ける様を「ネコ」と形容することに、大きな間違いはないはずである。この点においても、魔法少女ものを百合アニメとして展開した『魔法少女まどか☆マギカ』は、輪姦の理としての正統性を保っていたといえる。


PROFILE
反=アニメ批評(@ill_critique
アニメ批評同人誌『アニメルカ』責任編集。
思想恥部シリーズ『エロ年代の想像力』責任編集。
『エロ年代の想像力』のほうは現在、ジュンク堂 新宿店、MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店、COMIC ZIN、タコシェ、および通信販売で好評発売中。また『アニメルカ vol.4』(特集:岡田麿里とアニメの物語論)も委託・通販が開始されている。
冬コミ参加情報→「アニメルカ製作委員会」31日土曜日 東地区 "Q" ブロック 30b
『アニメルカ』オフィシャルサイト
反=アニメ批評



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