エロ年代の想像力 第二十七回 star☆jewel

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エロ年代の想像力

#27  『STAR☆jewel』

アニメルカ出張版



 連載「エロ年代魔法少女」シリーズでは、常に『魔法少女まどか☆マギカ』が参照され続けてきた。円環の理に導かれ、魔法少女の歴史の起源に自らを位置づけ幕を下ろした『まどマギ』は、もちろん、「輪姦の理」においても処女膜を下ろす役割を担ってきただろうからである。シリーズ最後にとりあげる『STAR☆jewel』もまた、『まど☆マギ』の系譜に連なりながらも、しかし同時に『まど☆マギ』を乗り越えんとする作品でもあった。

『STAR☆jewel』
(監督:よし天、製作:37℃、全1巻、2011年)



『STAR☆jewel』は『魔法少女まどか☆マギカ』へのアンサーとしての性質(性の質)を持つ。『まど☆マギ』をはじめ現代の流行は百合にあるが、その関係内で性行為を成り立たせるため、本作では登場キャラのことごとくがフタナリであるという世界観設定を持ち込むだろう。もちろん、フタナリが自身のことを「神」と規定していることも、概念化=神化した鹿目まどかのあり様と呼応している。現にメインヒロイン=ヒーローは、まるで『まどマギ』ラストにおける暁美ほむらのように、黒い羽を広げ飛び立つことになるし、胸から取り出される宝石・スタージュエルも、言わばソウルジェムのようなものであった。だからもし『STAR☆jewel』が魔法少女ものではなくSFに見えようとも、『まど☆マギ』もその本質はSFであったのだから、もはやここで唯一気にかけるべきは「輪姦の理」の強度のみである。


 では『STAR☆jewel』における「輪姦の理」はどのようにあったか。まず『セーラー戦士 ヴィーナス・ファイブ』の悪の親玉もフタナリであったのだから、『STAR☆jewel』は「輪姦の理」における歴史性にも敏感であったとは言えよう。また確かに触手も登場していたが、しかし本当にわれわれが注目すべきは、フタナリ同士が、自分の棒を相手の穴に挿入し、かつ同時に、相手の棒を自分の穴に挿入される、通称〈クロスカウンター〉と呼ばれる超常的な体位である。つまりここでは、二人の合体した体それ自体がひとつの「輪」を成しており、この光景は言うなれば「輪姦の理」の具現化に他ならない。これまで概念でしかなかった「輪姦の理」が、『STAR☆jewel』ではついに、ひとつの表現として結実し出しているのである。




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『STAR☆jewel』



 以上、0721文字。『STAR☆jewel』は世界初劇場公開18禁アニメでもあり、そのイベントレポートはすでに、本連載の第21回にまとめてある。あわせて参照されたい。

PROFILE
反=アニメ批評(@ill_critique
アニメ批評同人誌『アニメルカ』責任編集。
思想恥部シリーズ『エロ年代の想像力』責任編集。
『エロ年代の想像力』のほうは現在、ジュンク堂 新宿店、MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店、COMIC ZIN、タコシェ、および通信販売で好評発売中。また『アニメルカ vol.4』(特集:岡田麿里とアニメの物語論)『反=アニメ批評2011summer』も委託・通販が開始されている。

冬コミ参加情報

新刊

・マンガ批評誌『マンガルカ vol.1』
・アニメルカ増刊号『背景から考える??聖地・郊外・ミクスドリアリティ』

30日金曜日東ポ28a「思想恥部開発委員会」
31日土曜日東Q30b「アニメルカ製作委員会

『アニメルカ』オフィシャルサイト
反=アニメ批評