エロ年代の想像力 第二十八回 2011年エロアニメ総括 ~前編~

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エロ年代の想像力

#28  2011年エロアニメ総括 ~前編~

アニメルカ出張版



 あけましておめでとうございます。本年も「エロ年代の想像力」を宜しくお願いします——さて年明け第一回となる今回からは、2011年のエロアニメ界の流れを前後編で総括してみたい。


 最初に結論を言ってしまうと、2011年のエロアニメ界はやや低調だった。「メリー・ジェーン」「L」「ちちのや」「CHUCHU」といった新規ブランドの参入が相次ぎ、エロアニメ界の鬼子・高橋丈夫が『ヨスガノソラ』や『あきそら』によって一般アニメの世界に衝撃をもたらした2010年に比べると、2011年のエロアニメ界は話題に乏しい一年だったと言えるだろう。


 まず先陣を切ったのは2010年の12月30日発売の『監獄戦艦 Vol.04 〜地獄END〜』(PIXY)。むらかみてるあき監督による大人気シリーズの最終章で、DMM.の上半期作品ランキング(アダルトアニメ部門)で一位に輝いている。


 この『監獄戦艦』以後は、PoROや鈴木みら乃によるテンプレ的な鬼畜陵辱作品、そして『HHH トリプルエッチ 2nd. こなみ編』、『秘湯めぐり 隠れ湯 下巻「若女将は堕とし頃」(ともにメリー・ジェーン)などのヒットが目立つ程度で、しばらくやや低調な空気が続いたが、春になると市場が一気に活性化。


 三月には大人気シリーズの新作『ストリンジェンド〜エンジェルたちのプライベートレッスン〜MY BLOW JOBER ACT.』(ピンクパイナップル)が、そして四月には2009〜2010年にかけて大ヒットした『鬼父』シリーズの続編、『鬼父 Re-birth 小生意気なヒップホール』(PoRO)が登場。特に後者はセールスこそ好調だったものの、まさかのNTR(寝取られ)展開にファンの間では歓喜と阿鼻叫喚が入り交じり、評価が真っ二つに割れることになった。この反響を受けてか、十二月に発表された『鬼父 Re-born 〜小生意気な秘湯めぐり〜旅情編』(PoRO)はシリーズの醍醐味である鬼畜性が希薄な、かなりソフトな内容になっている。日和るな野火止用太!


 このほか、大ヒットした『宇宙海賊サラ』シリーズのスタッフが再集結した『りんかん倶楽部〜第1話』(PIXY)などもヒットし、四月は豊作の月となった。


 五月にも注目作が相次ぐ。まず『俺は彼女を信じてる! 上巻 セカンドヴァージン』(L)。この「L」は前年に一般アニメとして地上波放送された『プリンセスラバー!』シリーズのエロアニメ化によって華々しいデビューを飾った新規ブランドで、その余勢を駆る形で本作も大ヒット。Getchuの上半期売り上げランキングでは一位に輝いている。ただ後編に関してのアナウンスが現時点で為されていないのは気にかかるところだ。


 続いて『Tentacle and Witches 〜第1話 俺、触手になりました〜』(PIXY)。本連載でも取り上げた、主人公が触手化するという異色作品で、十一月発売の『Tentacle and Witches 〜第2話 プールの水で濡れてるんだか…』(PIXY)と合わせてDMM.の2011年の下半期ランキングでワンツーフィニッシュを達成。エロアニメ界の雄・PIXYの新たなキラータイトルへと上り詰めた。


 レーベル単位で見てみると、変わらぬ低価格&ハイクオリティ路線で突き進むPIXY、それに続いてPoROと鈴木みら乃を擁するエイ・ワン・シーグループが君臨、という見慣れた図式が展開されていたが、注目はこの二大巨頭に食い込んだ新興レーベルのメリー・ジェーンとLだろう。特にメリー・ジェーンは『俺は彼女を信じてる!』以降沈黙しているLと違って下半期も意欲的に作品を発表しており、今後に大きな期待がかかる。



後編に続く。


PROFILE
杉田u(@sugita_u
思想恥部シリーズ『エロ年代の想像力』企画協力。またアニメ批評同人誌『アニメルカ vol.1』に四コマ原作アニメ論を、『アニメルカ vol.3』に『けいおん!』論、『アニメルカ Vol.4』に『フラクタル』論他を寄稿。
『エロ年代の想像力』のほうは現在、ジュンク堂 新宿店、MARUZEN&ジュンク堂書店 渋谷店、COMIC ZIN、タコシェ、および通信販売で好評発売中。
ブログ:ばべのれ
『アニメルカ』オフィシャルサイト
反=アニメ批評



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