音楽とオルガスムス × 魔ゼルな規犬

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音楽とオルガスムス #05

魔ゼルな規犬 

文/あんちぽです 写真/フク田シン也



魔 ゼ ル な 規 犬 。

3 7 歳 。

男 。

前 衛 音 楽 家 。

パ フ ォ ー マ ー 。







酔 狂 。







(2011年11月/巣鴨)



―まずお聞きします。魔ゼルな規犬とは何者ですか?


魔ゼルな規犬 音楽をやっている人です。2000年に活動を開始致しました。基本的に、その点はブレていないはずなんです 。


―純粋にミュージシャンであると。


魔ゼルな規犬 そうです。ただクローズアップされているのは、街中へのシール添付、そして路上ライブの動画です。シールの方は私の名前が記されたステッカー、動画の方は路上で適当にくっちゃべっているラップの動画なんですけど、その2つのイメージが強いのではないかな、と思っております。最も再生回数の多いもので40万ビュー程になります。web2.0時代と言うんでしょうか、youtubeなどで動画を見た携帯層のクソガキ達からのリアクションが大きかったです。


―動画はご自身でアップされてるんですか?


魔ゼルな規犬 そうですね。ウィンドウズムービーメイカーなんていう適当なもので、最悪の画質でやっております。字幕などもウィンドウズムービーメーカーのプリセット機能で簡単に誰でもつけれます。とはいえプリセット機能ですので、大仰なことはできません。ですので、演出は非常に稚拙なものとなっております。





―稚拙とはいえ、あの字幕がなければ何を言っているのかほとんど聞き取れません。あれは意図的にそうしているのですか?


魔ゼルな規犬 そうです。これは音楽としてやっておりますので。一方でこうも思います。皆さん「魔ゼルな規犬は何言ってるか分からない」と言われますが、では巷の歌手の歌詞はそんなにも聞き取れているのか、と。例えば洋楽風に歌う人間などもおりますが、ああいうものもまた全く聞き取れないとも思うんです。そういう意味でも、私だけにそれを言われるというのもどうかと思います。今「私だけ」と言いましたが、これもまた自意識過剰発言ではあると思います。


―なるほど。ところで現在のスタイルというのは活動開始当初よりすでにあったものですか?


魔ゼルな規犬 当時から同人音楽的な部分は確立されていました。トラックを作ってる人はいっぱいいますので、それらと変わらなかったです。たた私はやはりライブ活動をしたいなということで、そうすると生身の躍動みたいなものが必要かなと思い、ドラムやボーカルを入れ、徐々に今のスタイルへと変化しました。今年は2011年なんですが、今のライブに一番自信があります。


―日々成長している、という感じですね。


魔ゼルな規犬 そうです。2000年の時点では、馬のお面をかぶり、同人音楽に合わせてドラムを叩くだけだったんです。2002年くらいから、さらにラップを加える形となり、また、そこらへんからセクハラ、つまりお客さんと遊ぶというターンも入れました。ドラムについては昔からやってまして、また実際に叩くと、「上手だ」といった賛辞が頂けましたので、未だにやっております。最近は助っ人の人間なども入れることで、「割と過激なライブができているのではないか」、と考えております。


―過激さというのは魔ゼルなさんが表現をする上での重要なテーマなんでしょうか?


魔ゼルな規犬 そうですね。音楽の世界には優れた人間がたくさんたくさんいますし、また私がやっている同人音楽というのは、最近も問題になっておりますが、要は盗作なんです。決して多く売ってはいけないと思うんですね。メジャーに行けるようなものではありません。そこで、自分の得意なところ、強みなどを考えた場合に、基本、自分だけで動いておりますので、決断も自分一人でおこなえるところが強みなんです。すると、割と気持ちだけで過激なこともできる。場所も、ライブハウスだけでなく街などで行えば過激になる。また先程少しお話した動画においても過激な演芸ばかりが伝聞しておりますので、つまり自分がしてきたことの集積の中から過激なものが選ばれている、望まれているということです。


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「090-9170-6967」




―なるほど。ちなみに過激さを求めていく傾向というのは魔ゼルな規犬の活動以前からあったんですか?


魔ゼルな規犬 はい。ただ、昔は過激なこと、悪いことをすればカッコいいという価値観があったと思うんですが、ネットの台頭により、薄い正義が蔓延してしまい、そういったものが結構淘汰されていっているように思います。昔は悪いことするのがかっこいい、例えば「あ、原付盗んだんだ、かっこいい」というような、感覚があったように思います。私もその当時の頃の憧れが強くあり、表面だけは悪そうにというのは意識して参りました。ただ、怖いのは表面ばかりで、実際は24歳までは素人童貞でした。


―別の雑誌でのインタビューで「やりたい」ってことを強く主張されてましたね。


魔ゼルな規犬 人は皆そうかなってことをちょっと声を上げて言っただけかもしれません。


―魔ゼルなさんにとって性欲とは表現活動のモチベーションとして欠かせないものなのでしょうか?


魔ゼルな規犬 それも一つであることは間違いないと思います。ただより大きいのは、自己肥大願望、自己顕示欲、社会での立ち位置の確保などです。性欲はもう少し余暇的なものです。まず、私がもう少し生きやすい社会を作る方が先で、自分の価値をあげるためにイベントやライブを続けているところがあります。そしてこの活動はお金にはなっていません。


―収入は何で得ているんですか?


魔ゼルな規犬 一応、印刷会社に所属しております。


―DTPのオペレーターとかですか?


魔ゼルな規犬 はい。一応、DTPエキスパートの資格は持ってます。多分お詳しいかとは思いますが、あれは塾などに行けば誰でもとれます。ただ、2007年に精神病院に入るという事件がありまして、それからはずっと休業しております。しかし親のコネがある会社ですので、現在も「印刷の資格をたくさん取って養成している期間」という名目でお金を頂いております。


―精神病院へはなんという病名で?


魔ゼルな規犬 中二病です。いえ、違います。私は八王子の高月病院という病院に入ったんですが、いや、入らされたんですが、いや、眠らされまして入ったんですが、その病棟には「中一病棟」と書いてありまして、渡されたカップには「中一病」と書いてありました。中二病以下なのだと思いました。


―入院期間はどれくらいだったんです?


魔ゼルな規犬 親族の方が私を隔離する権限をなぜか持ってまして、四ヶ月ほどいました。「一生いれておけ」という気持ちが上にはあったようです。なんで入ったか、については、中二病をこじらせたと言うのが最も分かりやすい説明ですが、具体的には「指をつめる」と宣言していたというのがあります。何らかのことで責任を取る上で、「指をつめる」というのは、これはカッコいいことだ、などと思っており、まぁそれが原因です。


―自殺予告などもされていましたね。


魔ゼルな規犬 そうです。心配する親族に対して「もし止めたらブっ殺す」と私は言いました。親に対する甘えた発言は誰にでもあると思うんですが、それを私が言いました当時、すでに私は30代の立派な成人男子でしたので、「ブッ殺す」と言うことがシャレにならない年齢になっていたんだと思います。


―あいつは本当に殺る気だ、と思われてしまったんですね。


魔ゼルな規犬 自分としては、容姿は完全にオッサンなものの、思春期を持ち越した軽口でしかなかったんです。


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