都築響一 妄想芸術劇場 第二十七回

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写真が瞬間芸だとすれば、イラストは独演会だ。

観客ゼロの高座で2時間、汗みどろで語りつづける脳内の発情ランドスケープだ。

写真ページの添え物とさげずまれ、アートともイラストレーションとも漫画とも

認知されないまま、ひっそりと増殖する陰花植物。

欲情の、淫夢の、妄想のもっとも純粋なあらわれとしての、マイクロ・ニルヴァーナ!






# 2 7 山 本 一 夫 2



前回に続いてオムツマニア・山本一夫の作品集をお送りする。今週ご紹介するのは、すべてモノクロの線描による作品群。彩色作品のためのスケッチではなく、これはこれで完成されたシリーズのようだ。

色づけがなされていないぶん、こうした黒一色の作品群では、作者の思いというか妄想が、さらにナマのかたちで紙上から立ち現れているようである。ときおり添えられている解説、というか絵をパラフレーズする物語ようなものも、そのアブノーマルな感覚を強化している。

1990年代初期の、ニャン2創生期に投稿が集中していた山本一夫。その後はもしかしたら、『おむつクラブ』などの、より嗜好にあった専門誌に発表の舞台を移してしまったのだろうか。一見希薄でいて、実は深く激しい変態スピリットにあふれた彼の新作に、また誌上で出会えることを願う。





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保育科2年の陽子は、数人の仲間と共に万引きしたが、1人だけ逃げ遅れて店の主人につかまり、学校へ引き渡された。
職員会議で、退学だけは、許されたが、保育科の実習でオシメや浣腸を受けるモデルの処罰を受けることで、学校内部で処理されら。
実習は仲間の前で、黒板に今日の実習が書かれた。




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○○医院の医長は尿療法にこっている。
毎日、尿を飲んで健康を保っている。自分の尿より若い看護婦に装置尿器を強制的につけさせて、若い女性ホルモンが出た尿を飲む方が若返りになると信じている。
尿袋は600ccで、一定量たまると、医院長にベルトを外して新しいのと交換するのだ。
尿袋を着けている看護婦は若い女性ばかりで、給与に手当が付いている。
しかし、装置尿器を付ける恥ずかしさには必死に耐えている。




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夜尿症の女子高生、登校へ出る。
軒先には今朝濡らしたオシメが干されている。
近所で知らぬ人はいない。



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『嫁と姑のオシメ戦争』

新婚間もなく、商社マンの夫は海外出張へ。閨の寂しさを新妻は自分で慰めていたが、うかつにも尿道粘膜に最近の侵入を許してしまった。
膀胱炎と尿道炎を併発して秘尿器科へ通院を始めた。
お小水の近い新妻は、昼間でもオムツを当てなければならなかった。
悪い事は重なり通院途中で義妹に出会う。
「あら、お姉さま、少しふっくらしたみたいね」
義妹は、腰の線が不自然に崩れている姉の様子を帰宅すると姑に報告した。
「もしや、おめでたでは?」
それにしても早すぎるが、とにかくその疑問を確かめるべく、突然に新妻の元を急く。
庭に干してある大きなおしめカバーをそこで発見する。
「まあ、これオシメじゃないの、それに大人用のサイズだわ」
寝たきり老人のいない家にオシメの洗濯物は不自然だ。
新妻は姑を問い質す。今までの経過を白状した新妻…。
「こんなにオシメを干して、これがご近所に知れたらどう言いわけするの」
姑は大変な剣幕だ。
「そこへ、横におなりなさい」
新妻を無理に倒すと、着の裾をめくりあげた。
「ああ…、いや、お姑さま!」
新妻は着物の下にオシメカバーを当てていた。
「まあ、あなた昼間でもオシメ当てていたの、○○家の嫁がハレンチな」
おしめカバーの中へ姑は強引に手を押し込んで濡れている事を確かめる。
「あなた、オシメ濡れてるじゃないの」
「さあ、新しいオシメを替えてあげるから、そこと寝なさい」
姑は手際の良く、嫁のオシメを替えていった。
「ああ…許して!」


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『けっこう仮面(高圧浣腸仕置される)』

どきつい仕置部屋

罠にかけられて、囚われの身になった「けっこう仮面」は、婦人科診察台に拘束されて、サタンの足の爪の眼前で、恐怖の高圧浣腸を注ぎ込まれた。
おしめカバーが当てられ排泄を待つ間にも、お腹がゴロゴロ鳴り出した。
「ハハハッ、これでけっこう仮面も最期だな!」
サタンの爪は、長年のうらみかえしたように喜んだ。
「苦しそうですね校長!」
「ハハッ、苦しめ、もっと苦しむがいい!」
「うううっ…」
「排便が終ったら、生涯、外すことができぬ貞操帯を着けてやる。楽しみに待っている」
両手両足を婦人科台に拘束された「けっこう仮面」この危機から逃れる手立はあるか? 危うしけっこう仮面。正義の使者は、サタンの足の爪に破れてしまうのか?


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『ファイヤーマン危うし!』

敵のコカイン精製所を爆発するために南米のジャングルに潜入したファイヤーウーマンをジェットボートで川を上った。
しかし、川岸から敵の銃撃を受けた。
川へ飛び込んで一命を取り留めたが、爆薬などの装備を失った。
岸に上がったファイヤーウーマンは水に濡れた服やオシメなどを干していた。そして、乾いたオシメを当てようとした時、三人の戦闘員の襲撃を受けた。無防備だったファイヤーウーマンは、三人の戦闘員にたちまち生け捕りにされ、猿轡をかけられ、木に縛りつけられた。
「これがうわさのファイヤーウーマンか」
「たわいもなく弱い女だな」
「それにこの女、オシメを当てているぜ」
「まだオシメを撮れるぐらいねんねだ」
「女の道具の方はどうか調べてやるぜ」
男はナイフを取り出しピンクのオシメカバーを切裂き始める。
ファイヤーウーマンは、恐怖で小便を洩らした。
小水は太股をつたわって流れ始めた。
「はは…この女、小便洩らしてやがる」
男のリーダーは、もう気が早くズボンを脱ぎ始めた。
ファイヤーウーマンを犯すためだ! 危うし!
オシメカバーを切裂かれ、貞操を失うのか!


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都築響一
1956年、東京生まれ。現代美術、建築、写真、デザインなどの分野で執筆活動、書籍編集。93年、東京人のリアルな暮らしを捉えた『TOKYO STYLE』刊行。96年、日本各地の奇妙な新興名所を訪ね歩く『珍日本紀行』の総集編『ROADSIDE JAPAN』により第23回木村伊兵衛賞を受賞。 97年〜01年『ストリート・デザイン・ファイル』(全20巻)。インテリア取材集大成『賃貸宇宙』。04年『珍世界紀行ヨーロッパ編』、06年『夜露死苦現代詩』、『バブルの肖像』、07年『巡礼』、08年『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』、10年『天国は水割りの味がする~東京スナック魅酒乱~』など著書多数。現在も日本および世界のロードサイドを巡る取材を続行中。






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