都築響一 妄想芸術劇場 第二十八回

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写真が瞬間芸だとすれば、イラストは独演会だ。

観客ゼロの高座で2時間、汗みどろで語りつづける脳内の発情ランドスケープだ。

写真ページの添え物とさげずまれ、アートともイラストレーションとも漫画とも

認知されないまま、ひっそりと増殖する陰花植物。

欲情の、淫夢の、妄想のもっとも純粋なあらわれとしての、マイクロ・ニルヴァーナ!






# 2 8 セーラーマン



1990年から92年あたりのニャン2初期に、独特なタッチの投稿を繰りかえしていたイラスト職人のひとりが「セーラーマン」である。


一見しておわかりのようにセーラーマンの画風には当時、そして現在でも主流を占める漫画ふうのタッチとは正反対の、正統的なデッサンを思わせる描線や、「挿画」と呼びたい古風な雅味が認められる。フラットな画面、どろどろな陵辱シーンとは無縁の、ユーモアあふれたモチーフ。そして特に単純な背景の前でポーズを取る全裸女性たちに見られる、ただただ描くことの純粋な悦び。それはほとんど、画材の使い方を覚えた少年が、胸の奥に秘めた欲望をはじめて紙上に発散したスケッチブックのようだ。


長らく投稿が途切れたままでいるセーラーマン。いま、どこでどうしているのだろうか。いつかまた、「セーラーマン」と裏に書かれた封筒が、編集部に届く日は来るのだろうか。





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カラオケイラスト

とあるカラオケバーで課長とOL

課長「こんどは下の口とデュエットしようかな!」

OL「課長さん、やめて下さい」




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カラオケイラスト

OL「てめ〜! おとなしくしてればつけあがりやがって」

元スケバンOL反撃、蹴り一発。

OL「ションベンかけてやるから、頭冷やせ、このハゲおやじ」

課長「へれ〜フガフガ…」




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盲腸の手術で下の毛を剃られた男が、剃った看護婦に反対に剃毛してやっているところ。




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都会からきたOLは解放感で海の中でオシッコ。そこへ地元の成年に見つかって…。




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海を汚しやがって、水着を返してほしかったら一発やらせろ!





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コインランドリーに出没する美女の下着泥棒。




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国技館パニック。まわしの女性が飛び入り、貴花田にしがみついて苦戦。
今一番視聴率の高いテレビ生番組。こんなハプニングがあったら。




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「祭だ! 祭だ!」

女の子もフンドシできりっと!









都築響一
1956年、東京生まれ。現代美術、建築、写真、デザインなどの分野で執筆活動、書籍編集。93年、東京人のリアルな暮らしを捉えた『TOKYO STYLE』刊行。96年、日本各地の奇妙な新興名所を訪ね歩く『珍日本紀行』の総集編『ROADSIDE JAPAN』により第23回木村伊兵衛賞を受賞。 97年〜01年『ストリート・デザイン・ファイル』(全20巻)。インテリア取材集大成『賃貸宇宙』。04年『珍世界紀行ヨーロッパ編』、06年『夜露死苦現代詩』、『バブルの肖像』、07年『巡礼』、08年『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』、10年『天国は水割りの味がする~東京スナック魅酒乱~』など著書多数。現在も日本および世界のロードサイドを巡る取材を続行中。






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