都築響一 妄想芸術劇場 第三十五回

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写真が瞬間芸だとすれば、イラストは独演会だ。

観客ゼロの高座で2時間、汗みどろで語りつづける脳内の発情ランドスケープだ。

写真ページの添え物とさげずまれ、アートともイラストレーションとも漫画とも

認知されないまま、ひっそりと増殖する陰花植物。

欲情の、淫夢の、妄想のもっとも純粋なあらわれとしての、マイクロ・ニルヴァーナ!






# 3 5 ショーボード 1



今週、来週の2回にわたってお送りする「ショーボート」は、2000年代になってからニャン2に投稿を開始した、新世代のイラスト職人である。


作品はすべて葉書サイズ。それも、人物を別の紙に描いたものを切り抜いて、葉書サイズの背景に貼りつけ、さらに全体をパウチッコするという念の入りよう。人物が浮き上がり、ピカピカのレリーフのようになって送られてくる作品は、そのたたずまいからしてポップだ。


つねに画面左上に「Syow-boat Hyogo Japan Jan. 2005」のように署名されたショーボートの画風は、上手いか下手かと言われれば稚拙なのだが、そこにまた味がある。さらに裏面に貼られている、きっちりワープロで打たれた楽しいテキストとの相乗効果で、ひとコマ・ギャグ漫画とも言うべき、独特のユーモアが滲み出す。本誌の掲載ページでは反映されることのなかった、テキストとワンセットで、ショーボートのお色気世界をご賞味いただきたい。




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この春、岐阜~長野県間のキャラバンで世間を騒がせたフェラウェブ研究所。警察との協議の結果、福井県内の本部に戻ることで一件落着かと思われた。しかし、福井に戻って数日後、女性総統(29)の下半身から絶えず白い体液が出るという症状が。彼女が“酔狂ゲリラが本部近くに侵入し、Gスポットをスコラ波で攻撃している”と訴えたために再び警戒体制に。福井県警の立ち会いで地元の産婦人科医によって行われた診断の結果は“異物(タンポン)を長期間膣内に入れていたことによる膣炎”で、体液と思われたものは膿と判明。総統には膣座薬が処方された。KKK新聞より。






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顔射されるのがいやな貴女、お試しあれ。






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公衆便所の精。男たちの精を受け止めるのが指名もとい、使命。






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ティッシュだけ配っていては能がありません。やっぱりオカズも提供しなきゃ。






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“主人に内緒で買ったお気に入りのバイブ。最近、欲求不満気味なので使う回数が増え、その結果先月は電池代が1万円以上に。そのため、電池を気にせず使えるようにACアダプタ式に改造。これで、家で一人の時間は思う存分オナニーに浸れるわ”これは危険です。エネ○を使いなさい。







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ローアンも何も、これでは撮影できないのでは。ちなみに、突っ込むならデジカメよりも高倍率の銀塩コンパクト(俗に“象さんズーム”)。もちろんコンちゃんは必須。






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最近、滋賀県雄琴のお下劣銭湯で新しいボディソープが使われ始めている。何でも、レイクぬるぴょんの脂が原料らしい。そういえば、レイクぬるぴょんは琵琶湖に大量の排泄物や体液を垂れ流すため水質が悪化、名物のフナが激減したのもこれが原因だそうな。清水国明氏も“バス放流はぬるぴょんの排出物の浄化にも役立っているのに”と怒り心頭だったし。そこで、彼を中心とした団体がぬるぴょんを定期的に捕獲、銭湯街近くのK化学の工場に持ち込んで石鹸に加工しているとのこと。コンパニオンからも“肌に優しく、残らないので安心してフェラができる。何よりお客さんの勃ちが違う”と大好評。なお、レイクぬるぴょんからは強壮剤も作られており、雄琴周辺の薬局で試験販売中。今、滋賀県が熱い。







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“有害電磁波スコラー波の調査”と称し、岐阜県内のとある林道を不法占拠している団体・フェラウェーブ研究所。彼らは“スコラー波から身を守るため”との理由で白装束をまとい、内部まで真白に塗装されたワゴン車数台で生活。29歳の女性総統はメンバーの中から絶倫男を数人選び、“スコラー波対策として”常に彼らの体液を浴び続けている。先日、KKK新聞の記者が総統の撮影に成功。この時は3人の汁男から体液を浴びており、髪はガビガビに固まった状態。部屋(?)着と思われるシャツにはかびが生えていたとのこと。なお、記者はあまりの悪臭に体調を崩して入院。岐阜県警もどう退去させるか頭を抱えている模様。






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確かに、どエライ事になっています。






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“男のための薬”であるED治療薬。もちろん、女性にはその効き目がわからない。そのため、某病院ではナースたちがインターンに様々な治療薬を飲ませ、その“硬さ”で判断しているとかいないとか…。当然、彼女ら自身も被験者だ(絶対に真似はしないでください)。








都築響一
1956年、東京生まれ。現代美術、建築、写真、デザインなどの分野で執筆活動、書籍編集。93年、東京人のリアルな暮らしを捉えた『TOKYO STYLE』刊行。96年、日本各地の奇妙な新興名所を訪ね歩く『珍日本紀行』の総集編『ROADSIDE JAPAN』により第23回木村伊兵衛賞を受賞。 97年〜01年『ストリート・デザイン・ファイル』(全20巻)。インテリア取材集大成『賃貸宇宙』。04年『珍世界紀行ヨーロッパ編』、06年『夜露死苦現代詩』、『バブルの肖像』、07年『巡礼』、08年『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』、10年『天国は水割りの味がする~東京スナック魅酒乱~』など著書多数。現在も日本および世界のロードサイドを巡る取材を続行中。






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