都築響一 妄想芸術劇場 第三十八回

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写真が瞬間芸だとすれば、イラストは独演会だ。

観客ゼロの高座で2時間、汗みどろで語りつづける脳内の発情ランドスケープだ。

写真ページの添え物とさげずまれ、アートともイラストレーションとも漫画とも

認知されないまま、ひっそりと増殖する陰花植物。

欲情の、淫夢の、妄想のもっとも純粋なあらわれとしての、マイクロ・ニルヴァーナ!






# 3 8  ぼん正月



手元にはたった8枚の作品しかない。でも、その作風がひじょうに気になる投稿作家、それが「ぼん正月」である(ボン・ショーゲツと読ませるらしい)。

漫画的でありながら、躍動感あふれるその画面。ユーモアに満ちたモチーフ。ぼん正月の魅力はいろいろ挙げられるけれど、個人的にいちばんユニークだと思うのは、その画角だ。投稿イラストでは、カメラで言えば標準から望遠レンズで場面を覗く距離感がほとんどなのだが、ぼん正月の画は超広角レンズで被写体に迫っている感じがすごく強い。どこから出てくるのだろう、その特異な画面構成の感覚は。



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都築響一
1956年、東京生まれ。現代美術、建築、写真、デザインなどの分野で執筆活動、書籍編集。93年、東京人のリアルな暮らしを捉えた『TOKYO STYLE』刊行。96年、日本各地の奇妙な新興名所を訪ね歩く『珍日本紀行』の総集編『ROADSIDE JAPAN』により第23回木村伊兵衛賞を受賞。 97年〜01年『ストリート・デザイン・ファイル』(全20巻)。インテリア取材集大成『賃貸宇宙』。04年『珍世界紀行ヨーロッパ編』、06年『夜露死苦現代詩』、『バブルの肖像』、07年『巡礼』、08年『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』、10年『天国は水割りの味がする~東京スナック魅酒乱~』など著書多数。現在も日本および世界のロードサイドを巡る取材を続行中。






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