内なる辺境の人々 × 杉作J太郎

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内なる辺境の人々

杉作J太郎 

意見が一致してないからセックスが楽しいんじゃないですか

文/辻陽介 写真/藤森洋介


杉作J太郎は、自動車でも、電車でも、徒歩でもなく、真っ赤なママチャリに跨がって待ち合わせ場所である下北沢駅前に現れた。広島カープのTシャツに短パン。一際目を引く足下の雪駄に、豪放磊落な人と為りが窺える。

時刻は午後八時を少し過ぎたところ。駅近くの居酒屋に入り、緑茶ハイと生ビール、それに幾つかのつまみを注文する。ママチャリで来た事を指摘すると「いやぁ、電車賃も馬鹿になりませんからねぇ」。表情は至って快快だ。

男の花道、その敬虔なる求道者が語る“男”の神髄とは如何に。



(2009年8月 下北沢)


─早速ですが、まず杉作さんの近況を聞いてもいいですか。

「えぇっと、近況ですか。近況は…、そうですね、今は映画の脚本を書いてますね」

―男の墓場プロの仕事ですか?

「いや、実は墓場の仕事の方はちょっと大人の事情により止まっちゃってまして。それは他所の方から舞い込んできた仕事です。その脚本の締め切りが、まぁ明日の朝なんですけど」

─もう間もなくじゃないですか(笑)。大丈夫ですか?

「全然問題ないですよ。さっきも家で『24』観てましたから(笑)」

─じゃあ問題ないということで(笑)。ところで、なぜ今さら『24』?

「家の近所のレンタルビデオ屋が今100円レンタル期間中でして、折角100円ならシリーズ物をと思って見始めたんですよ。一応、シーズン6までが旧作扱いで100円だったんですけど、そこまではあっという間に見終わっちゃいましたね。で、シーズン6と7の間にシーズン6・5というのがあって、それは準新作扱いで280円なんですね。で、その次のシーズン7は新作なので380円で…て、お金のことばっか言ってますね(笑)。まぁ、とにかくシーズン7のⅠとⅡまでは観ちゃってたんですが、仕事もあるということで続きは我慢してたんです。で、結局、今日になって我慢できなくて、その先も借りちゃいました」

─かなりハマってますねぇ。

「本当にすごい娯楽作品ですよ。見始めたら止まらないですから。神経衰弱のカードを捲りたいみたいな感じですかね。また卑怯な作り方してるんですよ。例えば、主人公のジャック・バウアーの娘にキムってのがいるんですけど、あるシーンでキムが殺人者に追っかけられるんですね。キムは森の中に逃げ来んでなんとか難を逃れるんですが、逃げたら逃げたで今度はピューマに襲われるんです。まったく関係ないですからね、物語とピューマ。キムがハッて振り返ると目の前にピューマがいて、そこで次回に続くんです。優秀なキャバクラの女みたいなもんですよ。僕の友達に手も握らしてもらってないのにキャバ嬢に500万注ぎ込んだ男がいるんですけど、『24』も似たようなもんです」



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─僕もシーズン1だけ観ましたけど、確かにあれはズルいですよね。ところで杉作さんは確か綾波レイの熱烈なファンでしたよね、最近は?

「もちろん想いはあるんですけど…。それより今年の3月のWBCの時にテレビで三共のCMよくやってたでしょ、パチンコの。で、中でも『ファフナー』のCMがよくやってて。なんか可愛い女の子がでてきて〝あなたはそこにいますか〟って言うんですよ。最初はね、まぁアニメならではの物言いだな、なんて思ってて、〝こういうの引っかかる奴もいるんだよなぁ〟とか言ってたんですよ。でも、何度も繰り返しそのCMを見てるうちに、とうとうある日、気になり始めまして(笑)。で、DVDを借りちゃったんですよ。そしたらもうねぇ、可愛くて。キャラクターデザインが平井久司さんて人なんですけど、なんでも『ガンダムSEED』のデザインもやってるとのことで。でも『SEED』は100話以上あるんですよね。流石にそんな時間はないなって思って…、あ、いや時間はあるんですけど、それはちょっとしんどいなって思って(笑)。まぁ、でも結局は全部見たんですけどね」

─(笑)。じゃあ綾波レイ熱は冷めてきてるんですね。

「でもエヴァの『破』も凄い楽しみにはしていたからね。人形付きの前売り券も2枚買っちゃいましたし。ただ平井さんのキャラクターが余りにも可愛くって…。いや、今でも綾波は好きですよ。うん。好きだけど、ちょっときびしい(笑)」

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