角川慶子対談 艶 × 酒井あゆみ

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角川慶子対談 艶 #05

酒井あゆみ × 角川慶子

私はダメンズブリーダー

構成/編集部


元風俗嬢にして元AV女優という異色の経歴をもつ作家、酒井あゆみ。

『売春論』、『セックスエリート』、『レンタル彼氏』…、それらの著作において酒井は執拗なまでに“男と女”という一つのテーマだけを書き続けてきた。

机上の知識ではなく、痛みを伴う生の経験に依る文章は、それゆえに説得力があり、人の心を打つ。

その一方で、酒井は自身を筋金入りのダメンズブリーダーと称す。ダメンズとはもちろん「駄目な男」のことなのだが…、その真意とはいかに。




(2010年7月/渋谷区某所にて)



角川 酒井さんって71年生まれなんですよね、私73年なんです。

酒井 うそー、そんな近かったっけ? それ犯罪よ、もう。まじで(笑)

角川 以前にお会いしたのが私が30ぐらいの時だったと思います。

酒井 でしたっけ? 結構前だよね。よくぞ生きていて下さいました(笑)

角川 (笑)。そういえば中村うさぎさんから酒井さん今バンドやってるって聞いたんですけど?

酒井 あー、あの話ねぇ。

角川 違った?

酒井 いや、バンドの話あったんだけどさぁ、私は音楽詳しいから面白いんじゃないってなって。私とうさぎさんと倉田真由美さんと岩井志摩子ちゃんで、あと西原理恵子さんも呼んでやりましょうって話になって。で、2丁目でその打ち合わせをしてたんだけど、不意にうさぎさんが「やめる!」ってなっちゃって(笑)。 さっきまで言ってたのなんだったんだって(笑)

角川 そうだったんですねぇ。

酒井 私はもともとバンドやってたんですけどねぇ。

角川 ですよね。

酒井 私最初はバンドのために上京して、なのに金に走った女だから。

角川 バンドのために上京したんですね。

酒井 そうなんですよ。ええっとY音楽事務所があって、その方のスカウトがあって来たんですよ。

角川 どんなジャンル?

酒井 私はクラシックです。コントラバスとか。

角川 すごぉい。

酒井 14か15くらいから私はホステスやってんだけど、同時に箱バンもやってて。本当はウッドベースを担当したかったんだけどなぜかボーカルをやらされ、オールディーズとか歌ってましたね。

角川 そうなんだぁ。

酒井 誰かバンドメンバーいないかなぁ。

角川 酒井さんの担当はベース?

酒井 いや担当はなんでもいいんだけどさ。だって、どう考えたってさっきの面子じゃ集まるだけで大変じゃん。

角川 強烈だよね。朝来るかどうかも分かんない。

酒井 そうなのよ。うさぎさんに早く機嫌直して欲しいんだけど、あの人アップダウンが激しいからさ。

角川 更年期かな(笑)

酒井 なのかな。私もちょっときてんだけどね、生理止まったりとかさ。

角川 えぇ、そうなんですか?

酒井 うん、最近おじいちゃんが詐欺にあったりとか色々あって、ストレスだよね。だからホルモン剤うったりしててさ。それに2年間セックスしてなかったのよ、私。

角川 そうなんですか?

酒井 なんでかっていうと、まぁ『ドナドナ彼氏』という本にも書いたんですけど、その時に10歳年下の彼氏と結婚しようとしていたのね。

角川 なんかあれでしょ、売り専で知り合った男の子っていう?

酒井 そうそう、その男の子と結婚しようとしていて。でも私って難病もってるじゃん、そのせいで子供が産めないから、それでもいいんだったらって話で、あっちの親に会いにいったわけよ。そしたらやっぱり、彼はまだ若いし、両親的にはなんで難病の女で子供を産めないような女を嫁にって話になったわけ。もうそれ言われると「そうですね、すいません」ってなっちゃうじゃん。まぁ、一時はそれでも強行して結婚しようとはなったんだけど、なんだかんだゴチャゴチャ一年くらい経ったぐらいから、だんだん何かがおかしくなっていったのよ。

角川 二人の関係が?

酒井 いや、二人じゃないのよ。彼が。

角川 あぁ、彼がね。

酒井 彼がなんかおかしくなってて。

角川 距離を感じるみたいな?

酒井 それとも違うんだよなぁ、なんか素行がおかしいんだよね。もう売り専は辞めてて、サラリーマンやってて。ただでさえ年下だから貢がれてるって思われちゃうから俺が全部やるって感じに頑張ってくれてたんだけど、なんか変なのよ。一方、結婚どうするって話なんかも続いてて。

角川 一緒に住んでたんですか?

酒井 うん、住んでた。でさ、とうとうある日ね、彼氏が「実は紹介したい人がいるんだよね」とか言ってきて、なにかと思ったら「俺の彼氏」って。

角川 うわぁ。

②.jpg酒井 まぁ要するに、彼氏に彼氏がいたって話なんですよ。

角川 すごい(笑)

酒井 しかも私よりも付き合いが長かったんですよ。

角川 さらにビックリ(笑)

酒井 最初はさ「え、そうなの、じゃあ私は両手に花ね」なんて喜んじゃって。そしたら、あっちの彼氏は19歳だったんだけど、女の人がまったく駄目だったの。なんか幼児虐待を受けてたらしくてね。

角川 トラウマがあるんだ…。

酒井 そう。一緒にいるのも会うのもやだって感じで。彼氏に「頼むよ、彼を口説いてよ」って言われて。ひとまず一緒に住もうって事になったんだけど、やっぱしあっちが無理で。こっちといるんだったら別れるってなっちゃって。そしたら彼は「じゃあ僕はあっちにいくね」って。

角川 きつい(笑)

酒井 彼氏を男に取られた女になっちゃったの。そこからあれなのよ。

角川 2年間入っちゃった。

酒井 うん、二年間空いちゃってるの。でもね、その間にもちょいちょいあったんだよ、ストーカーにあっちゃったりとか。まぁ、なんて言うか、セックスするのが辛くなってきちゃって。

角川 痛くなった?

酒井 んー、そういうんじゃなく、もっと精神的なものかな。

角川 好きだと駄目になっちゃう?

酒井 うん、それもあるし。あと、そのタイミングでおじいちゃんが詐欺に引っかかっちゃって家がグチャグチャになっちゃったってのも重なって。まぁ自分自身ちょっとふてくされちゃってたみたいな(笑)

角川 じゃあ、この2年間は他の男の子を買おうとかそういう気って起きなかったんですね。

酒井 全然買ってたよ(笑)。売り専の他にも友達の女の子と二人で歌舞伎町なんかをホストの初回巡りして、食い散らかしたりとかしてたんだけど…、私の場合はなんていうかね、挿入ができなくなっちゃったのよ。添い寝がいい。

角川 添い寝かぁ(笑)

酒井 なんかオナニーする気も起きなくてさ。

角川 それは私も(笑)

酒井 本当にこれじゃいかんとか思って。生理も止まってさ。ホルモンバランスが良くないから。

角川 潤いが欲しいですよね。あゆみさんってどんな男性がタイプなんです?

酒井 私はジジ専だね。

角川 え、ジジ専なんですか?

酒井 うん。私は白髪ないとだめなのよ。

角川 一番ベストは何歳くらい?

酒井 うーん、70歳とかそのくらいかな。もうちょっとでくたばりそうな感じが好き。

角川 親より上がいいってこと?

酒井 もちろんもちろん。もうお亡くなりになっちゃったけど筑紫哲也さんとかすごいステキ。最近は児玉清さんにハマってるんだけど。

角川 え、ああいうおじいちゃんとエッチしたいって思うってことですか。

酒井 ううん、添い寝がいい。勃たなくていいのよ、あんなの。ジジイが勃起してどうすんのよ。

角川 そうですよね。うちの父なんかはバイアグラ飲んでるらしいですけど(笑)

酒井 (爆笑)。頑張ってるね~。まぁセックス強い人の方が仕事はできるからいいんだけどね。

角川 やっぱりそうでした?

酒井 うん、愛人業やってたりキャバクラやってた時にも感じたけど、本当にセックス強い人ってのは仕事もバリバリだよね。

角川 ですよね。私もそう思います。

酒井 もう移動の車中でしか寝ないみたいなね。なんかシャブでもやってんじゃねーかってくらい。


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