ヒロイン手帖 × 会田誠

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ヒロイン手帖 その1

会田誠

うぶ毛が生え胸がツンとしてくる14歳の少女には奇跡の時間がある!

文/荒玉みちお 構成/うぶモード特ロリ班

取材の目的は、そもそもはいわゆる少女描写規制の問題について、であった。編集部いわく「アニメや漫画などで子供を性的に描いたものを『準児童ポルノ』として規制すべきと呼び掛ける日本ユニセフに抗議したい」と。それで美少女をテーマに活躍する表現者の皆さんに、抗議に賛同するご意見を頂戴したいというのが編集部の狙いらしい。しかしインタビュアーとしては「気持ちはわかるが、はたして取材を受けてくれる人がいるのか」という疑問を抱いていた。なにしろUBUはエロ本である。しかもかなり過激な部類。有名人は媒体を選ぶものだ。ましてテーマが、言い換えれば「ロリコン推奨」みたいなナーバスなものでは、そう簡単にはいかないだろうと。


ところが数日後、編集F君から電話があった。


「あの、例のロリコン企画、会田誠さんが受けてくれました」


会田誠さんといえば現代アートの分野で熱烈な支持者がいる一流の世界的アーティストである。まさか、と思った。


「ホンモノ?」と思わず聞いてしまったほどだった。


そんなわけで、取材当日まで「ホンモノが来るか」とか「気難しい芸術家ではないか」等々、不安を抱きつつ本人の登場を待ったわけだが、そんな心配はご無用であった。年季の入ったTシャツでやってきた会田氏は編集部に来るなり「すみません、あの、昨晩の酒がまだちょっと残っていて、頭がちゃんと回るかどうか」と、頭を垂れる。ずいぶんと素敵な人だった。世界のアーティストの恐縮はさらに続いた。


「すみません、僕の場合、わいせつも含めて、表現の自由とかいった権利を主張するタイプではなくてですね、キャラクター的には“ふぉあん”としていて、アジテーション的なキャラは持ち合わせていないものですから、そこら辺でご期待に添えないかもしれません」とまた頭を垂れる。


恐縮はまだまだ続く。


「実際の場合、僕のホームグランドである美術という世界で言えば、あの、美術館はかなり規制がかかるんですけど、民間のギャラリーレベルでは(ロリコンだ何だという問題を)そう気にすることもなくて。漫画家さんみたいに印刷の世界でやっている人たちとは違い、申し訳ないですけど、お気楽ではあるんです」


恐縮する会田氏に、とりあえず「美術館の規制」について質問。


「美術館は(エロ・ロリ系は)難しいですね。普通に、裸のセックスなら大丈夫なんですけどね。ただ欧米に比べれば美少女系の規制は日本は後進国だと思います。日本でも欧米でも絶対にNGなのは、レイプ系の作品ですね。僕の作品でいえば『巨大フジ隊員VSキングギドラ』とか」


キングギドラがフジ隊員に絡みつき、首の1本がフジ隊員の股間に、にゅるりと入り込んでいる作品。



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「キングギドラは僕のミスなんです。涙なんか描いちゃったから。あれが和姦に見えればOKなんですけどね。何度か若い学芸員たちが設置を試みたらしいんですけど、館長クラスにダメだと言われるみたいで。女性団体からの抗議が来ると予測されるんでしょう。だから、そういう抜け道みたいな意味もあって“美味ちゃん”とかやったわけでして」


2001年制作の『食用人造少女・美味ちゃん』は、大腸菌DNAをもとに生み出した人工の生命体という設定だ。



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「もともとは大腸菌なんだからと言い訳した上で切り刻んだりして」


話の流れから、そういう手法なら美術館でもOKなのかと思ってしまうが、残念ながらそれもNOだそうだ。


「まあコンセプトはどうあれ、美術界と言いますか、美少女ものでこの手のものはアウトです。だからあの、僕はなかなか海外でブレイクできないんですけど、その理由の10%くらいはそれ(ロリコン系の作品)が影響しているでしょうね。まあ僕もよくわからないんですけど、規制の理由はアメリカなんかで50~60年代に残任な事件が多発したからでしょう。でも言わせてもらえば、放っておくと獣になっちゃう極端なアメリカ人が作った厳しい規制を、心優しきロリコンが多い日本にそのまま当てはめるのはどうかとも思うんですがね。その辺はちょっとね“俺たちは野獣じゃないぞ”と言いたい気はしますけどね。とまあ、こんなこと言うとまた欧米人に嫌われて海外へ出て行けなくなる気がするんですけどね」


頭をカキカキ苦笑するのだった。いつの間にか編集部が設定したテーマに沿った発言をしてしまっている会田氏の無意識な批判は続く。

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