ヒロイン手帖 × 器具田こする 1

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ヒロイン手帖 その5

器具田こする 

その辺の少女に挨拶するだけで条例で捕まりかねないのが現代

文/荒玉みちお 構成/うぶモード特ロリ班



器具田研究所は『オナーパンツ』という「外出先で気軽にオナニーできる特殊パンツ」の開発機関として有名である。またラブドールの開発者としてもその方面では知られた存在。その昔“ダッチワイフ”と呼ばれた類のものだが、いまやシリコンを使った恐ろしく精巧なドールとして60万円前後で売られている。ちなみに、研究所が関わるのは「少女専門」であるが。


取材にあたって、器具田こする氏から事前に以下の「ロリコン論」が寄せられた。少し長いが、大切なことなので紹介しよう。



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『ロリータに関することはほとんどの面において、他の性指向(レズ、ゲイ、バイなど)で起こりうることと変わりません。だから突き詰めて語ってしまえば陳腐になります。


違うのは、内外の政府、警察、マスコミの作り上げる恐ろしいイメージと、家庭システム、母性といったものから起こる反発感があることです。これらは宗教や哲学、政治学の範疇の問題です。なので、真性のロリコンは宗教や政治に敏感です。

ロリータコンプレックスといっても、そこには「指向」と「嗜好」のふたつがあります。「指向」とは、生まれながらにして方向付けられている性の対象範囲です。生物学的なものだと思われます。私は児童性愛の性的「指向」を持っています。つまりこれはきっかけなどなく、ヘテロ(異性愛者)の人が異性を性対象とする、ゲイ(同性愛者)の人が男を対象にするように、低年齢の女性を対象にします。なぜロリータなのかと聞かれた場合、ではあなたはどうして成人女性を相手にするのかと聞き返すしかない状態にあるということです。ただし、私の場合は知り合って付き合いはじめるときに少女である必要があるのであって、その少女が成長したからといって「捨てる」ことはしません(そのつもりはありません)。そのあたりの可能性まで含めて悩む過程傾向をロリータコンプレックスと呼ぶのだと理解しています。

もうひとつの「嗜好」は、もっと細かくて、代替が利きます。世の中のほとんどの自称ロリコンは、この「嗜好」レベルのロリコンです。成人女性でもいいけれども、中学生というレッテルが貼られていると萌える、とか。そんな人は、普通に結婚しちゃったりして、いつか自分がロリコンであることを忘れたりもします。そういう人が多数いるから、ロリコンという立場が中途半端に市民権があって、セクシャルマイノリティとして認められないのではないかと疑っているわけですが。

嗜好レベルのロリコンと指向レベルのロリコンは別物で、指向レベルを「真性」とか「ホンモノ」とかいって蔑んだりするわけですが、私はホンモノの方です──』



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?その辺の少女に挨拶するだけで条例で捕まりかねないのが現代。現実世界の関係性が断たれているこれは“異常“です




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なるほどと頷く入門書面である。


「マスコミ的にロリコンがブームとして騒がれた歴史は、長いスパンで見ると、第一次、第二次、第三次とあるんです」


とりあえず、ロリコン論の補足から取材はスタートした。


「第一次は70年代後半から出版され出したアート系の写真集を主とした時代です。その前にコミケでロリコン漫画が出てきて、そのあとに写真集が出てきてブームになった。そのとき『プチトマト』が発禁になり、それで「漫画でも少女のワレメはいかん」となって、消しを入れるようになって、おとなしくなった。


第二次はバブル期。その頃、過去に出た少女写真集が古本屋で凄い価格で売られるようになった。だったら新しい写真集も出そうと。ただ、被写体は日本の少女ではなく海外の少女を使った。それが国際問題にまで発展して収束した。その後はロリコン写真集はもう買えないという時代になるんです」


ここまでは肯定的である。共に歩んできた懐かしきロリコン時代、といった口調。ここから先は苦言。


「第三次は、ジュニアアイドルですね。年あたりから2000年に入って一気にブームになった。いまはもう、カメラマンやDVD制作会社が逮捕されたり、海の向こうではFBIが捜査しているとかいう噂が立ったりして、かなり規模は縮小されてきましたよね。このブームも、もうすぐ終わると見ています。早く終わって欲しい。このブームは褒められたもんじゃないと思うんです。そもそも、こんな大っぴらにやるもんじゃない。大手を振って社会に出るような趣味じゃないですから」


ロリコン本来の理想から見たら、小中学生のTバックは受け入れられないということなのか?


「ロリータをアイドル化するのは違うでしょう。このブームが収束して静かな個人趣味に戻ればいいと思っています。そうすると、いまのジュニアアイドルはあぶれる。その行方が気になったりもしますけどね。成長したらAVに売られるのだろうかとか。まあ、知ったこっちゃないんですけど、そういう思いを巡らせたりもしますね」


先に頂戴した「ロリコン論」の指向と嗜好について詳しく聞く。


「いまの多くのロリコンさんは、嗜好派だと思うんです。第一次ブームのときにロリコン漫画を読んでいた人も、今頃は大人の女性と恋をして普通に結婚しているでしょう。それはロリコンじゃない。ある時期、熱病にうなされていただけの話です。でも私は違う。私はいまもロリコンだよと、そういうことですよね」


頷くしかない。だから嗜好派が喜ぶジュニアアイドルのブームは嫌いなのである。


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