ヒロイン手帖 × 立川談之助

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ヒロイン手帖 その6

立川談之助 

我々はバードウォッチャー、ただ見ているだけの人間です

文/荒玉みちお 構成/うぶモード特ロリ班



古典落語はもちろん、新作落語にも積極的。髪の毛を金髪に染めて高座に上がるなどのパフォーマンスで業界を騒がせたこともある。トンデモネタの研究で有名な「と学会」会員でもある。師匠の立川談志が国会議員として世間を賑わせていたときには、私設秘書として師匠を支えてもいた。


立川流の落語家は多芸である。また、過去の形式に縛られない。高座で金髪にもなるし、ロリコンネタで客を苦笑させることもある。だから「ネタじゃないの?」と勘違いされては困るから先に言っておこう。


─立川談之助はマジメである。


取材はいつものごとく編集部の会議室という名の物置部屋で執り行われた。談之助師匠は大荷物を抱えていた。そして「コレクションというほどではないんですけどね、まあその辺の一部を持って来ましたんで」と、テーブルの上に持参した資料を並べる。


幼児向けのNHKムック、VHSのビデオシネマ、古いロリコン雑誌……等々である。


「NHKの教育番組はずっと見てましたんでね。今でも夕方4時から6時までは録画してますよ」といって広げたのが幼児向け『ひとりでできるもん!』のムック本。10数年前の刊行物と思われる。師匠は広げるとき「一応、私の原点みたいなとこがあるんでね」


と言葉を添えた。おぼろげな記憶でしかないが、確かにそのムックの表紙を飾る少女には見覚えがある。


「NHK教育の『ひとりでできるもん!』の舞ちゃんですね。当時は子供もいないのに毎日、番組を見てました。未だにビデオが何本も残ってます。これだけでもNHKの受信料を払う価値があるとね。業界では〝ひとでき〟と読んでるんですけどね」


ここで師匠が言う「業界」とは、「落語」ではなく「ロリコン」業界という意味である。念のため。


舞ちゃんは、可愛いのは確かだろうが、彼女の10数年後の姿を想像すれば、うーむと肯定も否定も出来ないような風貌である。そんなこちら側の態度を察してか、師匠はぽつりと言った。


「あんまり、アイドルっぽいのは好みじゃないんですね。舞ちゃんも、いわゆるヒラメ顔でね、そこが何とも言えない……」


なるほどー。異性に対する好みは人それぞれである。


「あとは『いないいないばあっ!』2代目のりなちゃんかな。いま4代目のことちゃんがやってますけどね。そっちもまあ……」


及第点といったところか。当たり前のように話が進んでいくので、ここらで注釈を入れておこうと思う。師匠が言っている好みの女性は、みんなNHK教育に出てくる子役の小学生・低学年である。


ちなみに業界では『いないいないばあっ!』は「IIB」、『おかあさんといっしょ』は「おかいつ」、『天才! てれびくん』は「天てれ」と隠語で呼ぶらしい。


「この趣味も極まると、エロじゃなくても良くなっちゃうんです」


なるほどと納得。


「NHKもねえ、可愛い子もいれば可愛くない子もいる。どっちみち育っちゃうんですけどね、困ったことに。旬が短い。この子はもう大学生かな……この子はもう……」


美人女子大生はダメかと聞く。即座に答えが返ってきた。


「とんでもない。もう中学に入ったらダメですよ」


すっきりしている。




—幼い頃は少年漫画に出てくる少女キャラが好きでしたね、『アトム』のウランちゃんとか『おそ松くん』のトト子ちゃん(笑)





「この世界は段階がありましてね。どこまでが許容範囲かと、人それぞれで違う。初潮までとか、毛が生えるまでとかね、いろいろありますけど、まあはっきり言って中学生をいいと言う人はロリコンではありません。たまに女子高生とエンコーやって捕まった教師をロリコン教師とか呼ぶマスコミがありますけど、冗談じゃない。高校生なんて結婚できる年齢なんだからロリコンとは言いませんよ」


単なる若い女好きのスケベと、崇高なロリータ趣味を一緒にするな、ということか。


「あとは『天てれ』ですかね。メンバーの誰が好きだったかでずいぶんネットでケンカしましたけどね。NHK教育は宝庫ですからね。『にほんごであそぼ』なんかもね、いいですね。この子はそこで一番ババ臭くていいんですね……」


と資料本に載っているひとりを指さすのであった。


NHK教育番組に限らず、テレビや映画は、単に好みの女の子を映し出してくれるだけではなく、たまにサービスカットを流してくれるから録画チェックは欠かせない。


「けっこういいシーンが出るんですよ。〝IIB〟がね、よくやるテーマなんですが、子供がおしっこしてるシーンをそのまま出すんですよ。トイレを教えるというシーンで。おまるみたいなのに座らせてやらせるんですけどね、ときどき股間が映るんですね。一瞬ですけどね。これなんかスタッフに業界人がいて、サービスカットとして同志に提供しているとしか思えませんね。そんなのわざわざ映さなくていいと思うんですけどね。我々には嬉しいですね。


あと有名なのが〝おかいつ〟の着替えシーン。「パジャマでおじゃま」とかね。パンツ1枚から始まりますからね。これは嬉しい。いまだに続いているコーナーですね。


だから、探せば日常にいっぱいロリは散らばってるんです。子供番組の公開録画のときなんか特にそうです。パンツ丸見えくらいならいくらでもあります。子供番組だから当然子供連れの家族とか来てるんですが、どう考えても怪しいお兄さんたちも見に来てるんですよ。私もけっこう見に行ったからわかるんです」


近頃は“天てれ”出身のアイドルや女優がいて話題になることもあるが、その辺を指摘しても師匠は興味なさそうな態度。


「まあ番組を卒業して芸能活動する子もいますけどね。番組を外れる頃はもう我々には必要ないんでね」


潔いと言うほかない「小学生が一番」という嗜好はいつ頃から構築されたのか。


「いつから……昔からだと思うんですがね。まあアニメとか好きでしたから、そっちから来たんでしょうけどね。昔から年上とかダメでしたからね。色気むんむんはダメ。おっぱいでかいのダメ。一応ね、オタクという言葉が生まれる少し前の世代なんでね。プレオタク……ですかね。最初のアニメオタク世代。アニメのヒロインはみんな子供ですからね。最初は鉄腕アトムのウランちゃんですかね。けっこうツボなんですよ。おそ松くんのトト子ちゃんとかね。見てたのは子供の頃ですから、その頃はまだ違和感ないですね。まあ今でも、色っぽいとかはほど遠い世界で楽しんでますからね」


アニメに限らず、テレビは美少女を供給してくれる。






「ドラマでもCMでもいろいろといましたね。マーブルチョコの上原ゆかりとかね。1960年代前半の話です。マーブルちゃんと呼ばれていたんです。舞ちゃんに似て可愛かったですよー。うちの談志が当時、芸能界で処女はあの子だけだと叫んでた。可愛かったですよー。いわゆるヒラメ顔でね。その頃から美少女ってのはダメだったんですね」


だから北欧系の美少女をモデルにした写真集には興味が薄かった。


「美少女も〝ジョンベネ〟くらいになると別格ですけどねー。東欧系や北欧系は、確かに12歳くらいまでは可愛いんですよ。だけど、すぐにおっかない顔になっちゃう」


旬がアジア系よりも短い。


「普通の番組や映画でも“ロの人”が喜ぶシーンはありますよ」


ロの人(ろの人)とは、ロリコンのことである。

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