アブ世界の女たち 桜木ひとみ

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SもMもやり、アナルやスカトロ・プレイもこなす変態がいる。
悪く言えば節操のないただの好き者。だが、彼女の元には、
どこにも受け皿のなくなった性願望を抱えた男達が、連日、救いを求めてやって来る。彼らにとっては女神に等しい存在の桜木ひとみ。
果たしてどのような人物なのか。
ロングインタビューで彼女の実像に肉薄した

(文・ANK)

子供の頃の思い出に話題を持って行くと、桜木ひとみは、一瞬、表情を曇らせた。

「私、いじめられっ子でしたね、多分。分かんないけど(笑)。中学生の時とか、グループのリーダー格にちょこんとくっついているタイプ。うん、イジメられっ子じゃなくて、くっついているタイプでした。でも基本的に大人しかったです。私、人とまともに喋れるようになったのって二十歳を過ぎてからですもん。人見知りで暗い子。塾とかに通わされて勉強は出来たけど…。楽しい思い出はないですね…」

 彼女はSもMもこなすフリーの風俗嬢だ。ブログ上では『SMプレイ&医療プレイをしている変態さんです」と自らのことを紹介している。得意技は、アナル開発。いわゆる前立腺を責め立てるM性感プレイだ。アナル未体験者でも十人中九人は満足させることが出来ると豪語する。さらに浣腸やスカトロも大好きで、お互いの糞便を浴びたり食べたりすることも抵抗ないというのだから驚きだ。なぜ、彼女はそこまでの変態ワールドに行き着いたのか。取材班はその真相を探るべく、彼女の好物であるイカを素材とした各種料理をつまみに、お酒を酌み交わしながらリラックスムードでインタビューを行った。

「私は中学生まで岡山で過ごしていたんですけど、高校は東京の学校に入学することになって、一人で関東某県にあるおばあちゃんの家に引っ越してきたんです。そうするとやっぱり親元を離れた解放感から夜遊びするようになるじゃないですか。ある日、あてもなく六本木をうろついてたらナンパされたんです。当時、私は■歳でした。その男性は、高級そうなスーツをビシッと着こなしていてカッコ良くて、見るからにお金持ちそうな人だったんだけど、実は、某SMクラブのオーナーでした。それで、その日の内にホテルまで連れて行かれて、ムチ、針、アナルと一通りのプレイをされました。もう、メチャクチャ痛かったですよ。だけど、恐かったから逃げ出すことも出来なかった。その後も呼び出されるまま調教を受け続けて、乳首にピアスを空けられたりしましたね…」

 17歳の少女が風俗店のオーナーと聞けば、裏稼業を生業とする恐い人種と思い込んでしまっても仕方のないことだろう。しかも彼女は人一倍内気な少女。とても自分から別れるなどとは言い出せず、結局五年間もその彼に服従した。ちなみに話が前後して申し訳ないが、初体験は中学生のときに済ませていたそうだ。

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「私の通っていた中学はみんな早熟で、中一か中二の頃には、ほとんどの女子がセックスを経験してましたね。え? 荒れてた?ハハハ、そんなことないですよ。普通の中学校だったと思います。友達はみんな大卒ですから。私が処女を失ったのは、ちょっと遅くて中学三年生のとき。相手は塾の先生で、大学生だったから二十歳ぐらいだったんじゃないかと思います。多分、大勢喰いまくっていたんでしょうね。私とは月に二、三回ヤル程度で卒業するまで関係は続きました。そんな環境だったから、SMの知識はエッチな本とか友達との情報交換で仕入れてありました」

 暗い思い出しかないと言いながらも、やることはやっていた中学時代。故に頭も身体も下準備は出来ていて、SMオーナーのバイブやローターを使った快楽責めと、SMの苦痛を織り交ぜた巧みな調教により、彼女は着実にM女へと成長していった。

「SMの気持ち良さが分かり出したのは、オーナーと付き合い始めて三年目くらい。ちょうど二十歳の頃ですね。イッたらムチで叩かれて、また痛みに耐えられなくなったらバイブでイカされて…みたいなことを一晩中、繰り返されるわけですよ。そのお陰で潮も吹くようになった(笑)。私、ドMなんですよ」

 二十歳の桜木は大学生になっていた。入学したのは、最近、教授殺害事件で話題になった某私立大学の理工学部。教職に就くのが幼い頃からの夢だったという彼女は、SMオーナーに弄ばれながらもちゃんと勉学に励んでいたのだ。そして、二年後。卒業に必要な単位を取得した友人たちは、就職活動でアタフタしていたが、彼女は一切動かなかった。

「SMをやろうと決めてました。オーナーと付き合った五年間で完全にM女にされてしまったんです。もうダメダメですよねー。それで東京の下町にある某SMクラブに入店しました」

 夢であった教職に就くことも、一般企業への就職も蹴って、SMクラブに入店した彼女であるから、他のM女とは気合いが違った。誰よりもテンション高くバリバリ働き、いつの間にか人見知りも直って愛想も良くなり、瞬く間にナンバーワンに昇り詰めた。だが、そのことが返って人の嫉みを買ってしまったようだ。イジメられっ子はどこへ行っても浮かばれない。

「何でか知らないけど、私、クスリなんてやったことも無いのに、それを疑われて…。未だに恨んでいるんですよ、その店。もし、私がデカくなったら潰してやりたいって(笑)。それで二年目に喧嘩別れのような感じで辞めました。まぁ、そこでやってるプレイは、前の彼氏とやってたことと同じようなことばかりだったので、自分的にも成長がなかったし、今から考えれば別に良かったんですけどねぇ…」

 こんなエピソードもある。

「そのお店に入店して一年目くらいのある日、例のSMクラブオーナーが客として来たんですよ。たぶん私がそこで働いていることは知らなかったと思います。だけど運の悪いことに私が担当することになってしまって…。当然、バレバレだったと思うけど、私は桜木じゃない、誰それ、人違いだと思いますよって、言い張りました。だって、もう二度と会いたくなかったんですから」

 どうやら彼と別れた原因は、一方的に音信不通にされてしまったことにあるらしい。そうやって自分を裏切った相手に調教されたことで、SMの世界に入り込んでしまっている自分の姿を見られるのが悔しかったのだと言う。純な乙女だった頃のほろ苦い思い出である。

 さて、次に入店したのは池袋の某SMクラブ。そこで初めて本格的なスカトロ・プレイを体験する。

「『稼げるからやってみなよ』って言われて、何も考えずにやってみました。全然抵抗はなかったですね。自分が出したウンチを身体に塗り付けるんですけど、臭いとか、汚いとか、まったく思いませんでした。それと、飲尿も平気。こんなもんかって感じでしたね。私、基本的にド変態なんで。でも、その代わり、当時は興奮もしませんでした。ただお金のためにやってましたから」

 塗り付けから食糞まで、何でもやるスカトロM嬢がいるとの噂は、あっという間に業界に広まり、有名な縄師やSM世界の住人が彼女に会いにやって来た。そして、老舗のアナル専門店にスカウトされる。それが、彼女の人生における大きな転機であった。

「大塚エネマクリニックというお店の系列店で『DULL』というお店に移りました。そこで前立腺やアナル拡張のやり方を覚えたんです。当時は厳しい研修があって、それに合格しないとお店には出れなかったんですよ。ベテランのお姉さんが教えてくれるんです。人それぞれ括約筋の硬さが違うので、それに合わせた指の入れ方とか、呼吸法とかを。アナルの括約筋は、一本でも切れたら垂れ流しになってしまうから乱暴にしたらアカンよって」

 その厳しい特訓のお陰で、アナル開発の技巧を完璧にマスターした彼女の元には、お尻の快楽に取り憑かれた変態男性たちが救いを求めて集まった。そして、自分の意志とは関係なしに、又もやナンバーワンの座に押し上げられ、多忙な毎日に追われる身となった。

「週5日働いて、一日に三、四人、ヘタしたら五人のお客さんが付く日もありました。一番ハードだったのは、一日に三回スカトロやったりとか。私は普段から四回はウンチするんで、間隔を空けてもらえば全然OKなんですけどね。もちろん自然便で出しますよ」

 アナル系のプレイを希望してくる男性は、やはりM男が多いと言う。そのため、彼女は自然とS女もやるようになり、男性を調教する楽しみも覚えた。

「まったくアナルをやったことの無いコがいたんですけど、五年掛けて両手が入るまでに調教しました。その瞬間はもちろん嬉しかったですよ。まぁ、そこまで行かなくても、初めてのお客さんが前立腺で射精してくれるようになるだけでも充分嬉しいです。だって大の男がヨガるんですよ。女の子みたいに布団を引っ張ったりして(笑)。そりゃ、責めたくなりますよ。責めている間は、私もビッショリ濡れてしまいますね」

 結局、そのお店には五年間在籍し、みっちりとアナル開発の腕を磨いた。たが、経営者が変わったことで営業方針も変わり、そのことに疑問を持った彼女は、フリーの道を歩む決意をする。昨年の10月のことだ。

「あるお客さんに相談したら、『サポートしてあげるよ』って言われて、それで決心が付きました。まぁ、その相談相手が今の彼氏でありマネージャーなんですけどね。それまではずっと私がSで彼が受け身の人だったんだけど、そんな相談に乗ってもらいながら飲みに行ったら、『ひとみちゃんは絶対Mだよね』って言い始めて。そんなことない…って否定したんだけど、お互い恋人もいないし、一回プライベートで会ってみようかという話になって、そこから付き合い始めたんですよ」

 その彼がまた相当な変態らしい。

「ドMでドS。私と同じです。彼は基本的にアナル好き人間なので、まずは自分が責めます。前立腺開発。将来はフィストもさせたいですね。なんか、プライベートも仕事も変わらないように思われるかも知れないけど、違うのはその後にエッチがあること。そこで彼はドSに変身するんです。もう、あれはレイプですよ、暴力です。さっきまでアンアン喘いでいたのが、ガラッと変わりますからね、急に無表情になって。そのギャップがメチャ好きなんだけど。彼は前立腺と合わせて一晩で四、五回はイクんですよ。凄いでしょ。わざわざプロテインとか飲んで、精力付けて、良く分かんない人ですね。ちなみに私は十回(笑)。毎回、ホテルのベットは潮吹きでグチョグチョです。もう、イキ過ぎて、最後の方は『スミマセン、許して下さい』って謝りますもん。それでも許してくれないんですけど。でも、お互い忙しいので、月に一回程度しか会えないんです。私はもともと性欲は強くない方だし、一回のセックスが濃厚だから、それでも構わないんですけどね」

 その彼のお陰もあってか、フリーになってからの仕事も順調に行っている。彼女のブログを見ると、ほとんど前日には予約でいっぱいになってしまうほどの盛況ぶりだ。事実、このインタビューの前後にもプレイ予定が詰まっていたし、明後日まで新規で受け入れる余地はないという。

「フリーになって、こんなに順調にやって行けるとは思いませんでした。私がお店を辞めてHPから写真が削除されると、お店時代の常連さんたちが一斉に『どうしちゃったの?』ってメールを送って来てくれたんですよ。その数だいたい百人くらいかな。その中で毎月コンスタントに予約を入れてくれる方が、二、三十人というところですね。まだ駆け出しなんで、今後どうなるか分からないですけど、常連さんたちにはホント感謝してます」

 百人とは物凄い人気ですねぇ…と感心すると、「この世界に十年近くもいれば普通ですよ」と謙遜する。が、彼女には何か、それだけのリピーターを惹き付ける特別な魅力があるのではないだろうか。

「アナルに関してはプロフェッショナルというか、もう、どっぷり漬かってますね。プライベートでも彼氏で練習してるようなものですから(笑)。新しい道具が手に入ったら、すぐに試しますし、それに医学の勉強もしています。ここが直腸で、S字結腸で、下行、上行でとか、全部お客さんに説明しながらやりますよ。今日も肘まで入れてきたんです。S字結腸よりもっと先、上行結腸まで行きます。最高では肩まで入れたことがありますね。手に心臓の鼓動がドクドク響いて来ます。中は暖かくてヌルヌルしていて気持ち良いですよ」

 ネットの世界にはアナルチャットなるものが存在し、そこで「気持ち良いから行ってみな」と桜木ひとみの名前が度々紹介されているらしい。そんなマニア公認のテクニックに心酔し切ったお客さんの中には、高額なプレゼントを貢いでくる者もいるという。

「現金五百万円と言うのが最近ありましたよ。『これで足りるだろ』って現ナマで持ってきました。なぜか、私がお店を辞めると言ったら、どこかに借金があると勘違いしたみたい。もちろん遠慮なく頂いちゃいましたけど」

 さて、さらに気になるのがスカトロ・プレイの詳細だ。確か池袋のクラブ時代の話では「当時はお金のためだけにやっていて、興奮はしなかった…」と言っていた。では、今はどうなのだろうか。

「来週もスカトロの予約が入っているんですよ。最近スカトロ系は新規のお客さんが増えているんですよねぇ。多分、値段がリーズナブルだからだと思います。塗り付けが70分で三万円ですから。基本的には、私が出したウンチを身体中に塗り付けたりとか、食べたり食べさせたり。お客さんが浣腸で出したウンチを使うこともあります。泥んこ遊びみたいで楽しいですよ。それに『汚れる』というマゾ的感覚にも興奮します。アナル・プレイばかりしているとストレスが溜まるんですよね、基本的にS役ばかりですから。そのストレスを発散するにはスカトロが一番!(笑)。食べた感触ですか? 味は苦かったり甘かったり、その人、その日によって違うんで何とも言えません。グリセリン浣腸を使うと甘くなりますけどね」

 あっけらかんと話す彼女。だが、ドMであれば、本誌的には排泄姿を見られるという羞恥にも感じて貰いたいところであるが…。

「露出プレイも好きで、よくカップル喫茶に行ったりした時期もあったんだけど、恥ずかしさは全く感じません。むしろ、見て見てぇ…って感じです。う〜ん、やっぱり汚されたい人なんですよ、私は。スカトロもそうだけど、ザーメンをぶっ掛けられるのも興奮しますから。でも、一番気持ち良いプレイは何かと聞かれたら、『プライベートで浣腸しながらするセックス』と答えますね。しかもお互いに。私は二リットル入るんですよ。それを必死に我慢しながらハメる。感じ方が倍増しますよぉ」

 我々の期待のさらに上を行く変態嗜好。そんなハードな日常を送っているからには健康面にも気を遣っている。

「スカトロの前と後には必ず抗生物質を飲みます。それに月一で血液検査も受けに行きます。性病からエイズまで全部分かるヤツ。費用は一万円以上かかるけど、やっぱり心配じゃないですか。お金が貯まったら世界一周旅行にでも行きたいと思っているので、健康管理はちゃんとしてます」

 そんな彼女が仕事以外では何をしているのかと言えば、ほとんどパチスロだというのだからまたもや意外な一面が。

③.jpg「ギャンブルは好きですねぇ。裏スロにもよく行っちゃいますもん。でも注ぎ込むにしても一日せいぜい二、三万ですよ。あと、お酒を飲みに行くことも多いですね。先日は、朝8時まで友達と飲んで10万円くらい使っちゃいました。これから浅草で会うお客さんともプレイが終わったら飲みに行く約束をしているんですよぉ。お酒は大好きですから」

 実はインタビュー前にもお客さんとお酒を飲んでいたと言う。この場では既にビールから日本酒へと進み、徳利二本を空けている。話し方もだんだんスローモーになって来て、これ以上、酔っぱらったら次の仕事に支障を来しそうなので、最後に将来の夢を聞いた。

「別に無いですねぇ。今の暮らしに満足しているんで…。一日に二、三人のお客さんをとって、ある程度の時間的余裕をキープしながら、のんびりやって行きたいんですよね。ただ、周りからは『お店を持ちなさいよ』って良く言われる。でも、そうすると、他の女の子を雇ったりするわけだから、お金を稼ぐってことが重要になってくるじゃないですか。それが嫌なんですよね。私は、お金を気に掛けるよりもお客さんと一緒に楽しみたいんです。お客さんと過ごす時間が好きだから、20分ぐらい時間オーバーしても全然平気だし、その後、飲みに行ったりする時間は、プレイ料金には入ってないんですよ。そうやって余裕を持って、友達みたいに付き合っていきたんですよねぇ。だから、あと二、三年は現状維持で、その後のことはそのとき考えます」

 インタビュー中、終始饒舌であった桜木ひとみ。彼女は、常連客の誕生日やバレンタインデーには、感謝の気持ちとして欠かさずプレゼントを贈っているという。人見知りだった少女が、そこまで社交的な女性へと変身を遂げたのは、SMやアナル・プレイと出会ったことが、一つの要因であることは確かだろう。人は人に求められることで自信を得るもの。彼女にはこれからもマイノリティな性倒錯者たちの救世主として活躍してもらいたい。

(ニャン2倶楽部マニアックスvol.30に掲載)

桜木ひとみ
27歳/B型/蟹座

【公式ブログ】桜木ひとみのエロエロブログ