吉本隆明、性を語る。 —コイトゥス再考—

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コイトゥス再考 #15

吉本隆明、性を語る。 

文/辻陽介 写真/鈴木淳



思想家・吉本隆明の足跡を、リュウメイ世代でもなく、にわか仕込みの知識しか持たない筆者の拙い言葉で、あらためてなぞるような真似はすまい。

戦後最大の思想家、知の巨人、今世紀最後の哲人…、その人物の偉大さについては、それら称えられた数多の異名が、既に、十分に、物語っている。

仮に、吉本隆明、この思想家の偉大さそのものが、ある時代の、ある一つの、共同幻想のようなものなのだとして、その夢はきっと、見果てることのない夢。そして、我々は未だ、吉本隆明という夢の巷にいる。未だ、彼の思想で呼吸している。

—吉本隆明にとってエロティシズムとはなにか?—

御年86歳、なおも思考は矍鑠と、思想家が性を語った。



(2011年7月5日、東京・駒込、吉本隆明邸にて)



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吉本 どうぞ、お楽に…。今日はわざわざご足労頂いてありがとうございます。

—恐縮です。本日はどうぞ宜しくお願い致します。

吉本 こちらこそ宜しくお願い致します。今日は…、「性について」という風に話を聞いておりますが。

―はい。吉本さんのエロス論、性愛論をお伺いしたいと思っております。

吉本 なるほど…、まずどこから入っていけばいいのか…。

―そうですね。お伺いしたいことは山ほどあるのですが、まずは吉本さんのヰタ・セクスアリスと言いますか、性遍歴についてお聞きしたいと思っています。

吉本 ええ、結構ですよ。

―ありがとうございます。ではまず、吉本さんの性の目覚めについてから、お聞きしていってもてもよろしいでしょうか…

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