《ボンクラ童貞編集者からの人生相談》 溜池ゴロー編

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ボンクラ童貞編集者からの人生相談

溜池ゴロー

いくら童貞を捨てるのは遅くてもいいといっても、常に童貞を捨てようともがく気持ちは大事です。

取材/童貞編集者チェリー平尾


女性とキスはおろか、話すだけでも緊張してガチガチになってしまう童貞編集者。その女性に対する免疫の低さは、プライベートどころか業務にまで支障をきたす有り様であった。今までさしたる困難もなく、のうのうと生きてきたボンクラ青年に降りかかってきた人生最大の試練。壁にぶちあたり途方に暮れた彼は、悩みを解決する光明を得るべく、待へ繰り出していったのだ。果たして彼は救われるのだろうか? 明日はどっちだ?



──今回ご指導いただくのは、熟女モノで評価の高いAV監督であり、前々回に登場していただいた元AV女優・川奈まり子さんのよき夫でもある溜池ゴローさんです。よろしくお願いします! 実は川奈さんから、溜池さんは童貞を捨てるのがかなり遅かったと聞きまして……。


溜池 そうなんですよ。初体験は大学卒業のちょっと前でしたね。22歳って言っているけど、23歳の誕生日の直前だから、実はほとんど23歳なんだけどね(笑)。ニッタさんは現在24歳で童貞か……いいなぁ、羨ましいですよ。いいじゃない、童貞のままで。


──えっ、そう言われてしまうとこのコーナーの存在意義がなくなってしまうのですが……。


溜池 僕はね、どっちかといったら童貞を捨てるのは遅いほうがいいと思っているんですよ。童貞中は自分に自信がないことが表に出やすい、というデメリットはあるけど、将来的にはデメリットは一切ないですよ。だから今、童貞で悩んでいる人は思い切り自分が童貞であることを全面に出してしまって、デメリットを解消してやったほうがいい。自信なさそうにしていたらただのマイナスでしかないけど、堂々としていれば、逆にプラスに変わっていきますよ。


──そんなものでしょうか……?


溜池 童貞を失うのは人生でただの1回。あなたはこれからあのスゴイ体験が出来るんだから楽しみにしなくちゃ。ためにためて、どんどん妄想して期待してさ、「ドッカーン!」と来るか、「あれ、こんなものか」になるかはわからないけど、落差があったほうがインパクトが強くていいと思いますよ。まぁ、どんな女性に当たるかわからないし、運もあると思うけどね。
 僕はAV監督の仕事をするようになって、童貞の期間が長くて良かったなぁ、と思うことがけっこうあるんですよ。長いことハメ撮りやっていると、どうしても自分の好みじゃない女性が相手の場合もある。そんなときでも童貞だったときのドキドキ感を思い出すとクリアできるんですよ。それに女性の未知の部分に対する興味が長かったせいで女性への感覚が研ぎ澄まされているから、初対面の女性でも、ちょっとしたしぐさでいろいろなことがわかるんです。


──おおっ、なんか童貞ってスゴイような気がしてきました(笑)。


溜池 僕の場合、童貞が長かったことに加えて、幼少の頃に両親が離婚したせいで「年上の女性に甘えたい」という願望が抑圧されていたでしょう。だから常に年上の女性に対する憧れがあるんです。さんざん女性の裸を見ているのに、47歳になった今でも女性に対する目線は中2。僕にとってはね、18歳の女のコも単なる年下の若いコじゃない。14歳の視点で見ているから綺麗なお姉さんなんです。だから、僕はどんなに若いコでも「女のコ」とは呼びません。「女性」と呼んでいるんです。


──あっ、その感覚はよくわかります。ボクも年下の女のコを年下として扱えませんね。


溜池 思春期にどっぷり童貞に浸かるとね、女性への情念がガッチリ脳に刻まれる。これは一生とれないんです。童貞時代のドキドキ体験は貴重な人生の糧になりますよ。どんな女性とセックスするにしても、童貞だったときの感覚に戻ってしまえば、いつも新鮮な感動を得ることができるんです。


──あ〜、良かった。童貞で……って、アレ?(笑)。ということは、AV監督という職業は童貞時代が長かった人のほうが向いているかもしれませんね。


溜池 AV監督ってね、童貞を捨てるのが早いか、遅いか、両極端なんですよ。松本和彦やTOHJIROなんかは14、5歳くらいで捨ててるわけ。そういう監督の作品は女性への視線が冷めてますよね。女性の肉体をあくまでマテリアルとして使う。僕なんかは女性に対して夢とか憧れを持っているから、彼らのような作品は絶対に撮れませんね。僕は20年近くもAV監督やっているのに未だに撮影のときは緊張するし、中2の頃に戻ってスケベな気持ちになります。


──これ読んだ童貞はみんな苦労しなくなっちゃうかも。


溜池 いやいや、常に童貞を捨てようともがく姿勢は大事です。童貞を捨てる頃合いってものもありますからね(笑)。
 僕は童貞と聞くといつも思い出す人がいるんですよ。『及川奈央のファン感謝温泉バスツアー』(ミリオン)という作品を撮ったとき、及川のファンを全国から集めたんだけど、その中に30歳で童貞の男性が一人いたんです。「及川とどういうプレイをしたいか」と聞いたら「二人きりでずっと話をしたい」って言うんですね。「せっかくの機会なのにオッパイ触ったりキスしたくないのか?」と聞いても「いいです!」って意地はっちゃってね。彼は女性に対する完璧な理想像があって、生身の女性と接することによってその理想を崩したくないんでしょうね。収録の最後に参加者を海に連れていって及川と一緒に住みたいお城を砂で作らせたんです。そしたら彼が一番しっかりとした堅牢なお城を作ったんです。あれには彼の精神状態が如実に現れていたと思うな。まぁ、結局及川は他の男性を選んだんだけどね。あの作品は童貞だったら涙なくしては見れませんよ。まぁ、あそこまでこじらす前に童貞は捨てたほうがいいかもしれないね。


──では童貞時代が長かった先輩として、捨てるためのアドバイスをお願いします。


溜池 僕もそうだったけど、職場とか身の回りに女性がいないわけでもないし、特に嫌われているわけでもなさそう……なのに、なんで自分は童貞なんだろう? と悩んでいる人も多いと思います。答えは簡単なんですよね。「ああ、自分から女性に声をかけてないな」と気づけばいいんです。可愛い女のコが「私とつきあってくれますか?」なんて声をかけてくるなんてことは絶対にない、ということをまず肝に命ずることです。
 例えば飲み会で「あの娘、オレに気があるんじゃないか」と感じたらすぐその場で声をかけなきゃ。それをしないで後日、またどこかであの娘に会えないかなぁ〜、なんてウジウジ考えるのが一番ダメです。


──萌えアニメなんて全部、女のコから声をかけてくるパターンです。あれは童貞をこじらす原因かもしれませんね。最近『モテキ』なんて映画が流行っているようですが。


溜池 は? 「モテキ」なんてあるわけないでしょ! 僕は女性から告白されたことなんて一度もないよ。童貞が勘違いしちゃうような映画撮っちゃダメでしょ(笑)。とにかく「待ち」姿勢は厳禁。嫌われるかもしれない、いやらしい男に見られたくない、そんなカッコつけが一番の壁になっているんです。まず、「自己を開示しろ」ということです。等身大であるがままに、ポーンと相手の前に自分をさらけ出す。どんだけ自分はダメなのか、正直に「オレは童貞だ!」と言っていいと思いますよ。
 次に「女のコにモてるには○○すればいい」みたいな常識は捨てること。モテる男を目指すよりも、絶対にモてないヤツ、嫌われるヤツにならなければいいんです。僕は千人以上の女性と面接しましたが、好きな男性のタイプを聞くと、百人いたら百通りでバラバラなんだけど、嫌いなタイプを聞くと3パターンしかありません。すなわち、「不潔なヤツ」「ウジウジしてるヤツ」「不自然なヤツ」…この3つです。最低、この3つにさえあてはまらなければチャンスはある! ということです。童貞を捨てる確率を上げるには、これらのどれかに当てはまらないよう、日頃気をつけることです。


──あちゃ〜、ボクを含め、コアマガジンのほとんどの編集者は3つとも当てはまりますよ(笑)。


溜池 確かに出版社の人って、鬱っぽい人多いよね。AV業界の現場スタッフって、絶対に鬱はいません。とにかく早寝早起き、3度の飯をしっかり食う。これは鬱にならない絶対条件です。


──ボクらは遅寝遅起き、朝飯のヌキ深夜メシガッツリですから、真逆です……。


溜池 できたら格闘技をするとか、恋愛をするなどして、いつもワクワクドキドキしていると男性ホルモンのテストストロンが分泌されて、鬱の症状を解消してくれるんですけどね〜。僕はヒクソン・グレイシーから直接指導を受けた先生からグレイシー柔術を習っています。


──それでそんなにいい身体をしているんですね。弊社にも格闘技マニアはいっぱいいるのですが、実際にやるのはハードルが高すぎますよ。


溜池 格闘技じゃなくても、適度の運動と恋愛のドキドキは男にとって必要ですね。


──ドキドキはアイドルとの疑似恋愛でも得られていると思うので運動するよう心掛けます。ところで、溜池さんは何百人もの女性を相手にハメ撮りしてきたセックスの達人です。いざというときのために何かアドバイスをお願いします。


溜池 達人なんてとんでもない。女性をイカせてやろうとか思うなんて恐れ多いですよ。それに僕はね、早漏ですよ。


──それは意外です。実はボクも早漏気味で悩んでいたんですよ。


溜池 早漏で悩むことなんてまったくありません。射精しやすい、ということは脳の前頭前野がちゃんと働いている証拠なんです。妄想して興奮するとか、理性的であるとか、人間にしか与えられていない機能は前頭前野がしっかりと健康的に機能しなければなりません。妄想と理想は作用反作用と同じで、大きな妄想を抱ける人はちゃんと理性が働く人です。遅漏のほうが逆に人間的に欠陥なワケ。早漏はちっとも恥ずかしいことじゃない。早い話、もう1回やればいいじゃないですか。それに、AV女優に早漏と遅漏とどっちがいい?って聞いたら絶対に早漏がいいって言いますよ。あと、オチンチンが大きいのと小さいのとではどっちがいい?って聞けば、小さいほうがいいって必ず言いますね。「女は巨根が好きで、早漏は嫌われる」というのは完全に男の思い込みです。他人が決めたことは意識せず、自分を信じることです。


──ああ、神の言葉のように心に響きます。救われるなぁ。でも、なんだかんだいってもファーストインプレッションって大切だと思うんですが、例えばアイドルの握手会で、ほんの数十秒で自分をアピールするにはどうしたらいいでしょうか?


溜池 ええ? そりゃわかんねぇ〜!(笑)。そんなの行ったことないしなぁ。まず、相手の状況を観察して気持ちを分析することが必要だよね。彼女たちはずっと握手をして疲れている。いいかげんイヤになっているし「コイツ、手を洗ってんのかな〜」とか絶対思っているよね。そうすると早く手を洗いたくてしょうがないハズ。そこで消毒用の濡れティッシュを渡して「本当は一番に並びたかったんです。だからこれで手を拭いて、新鮮な気持ちでお願いします!」と清潔な男をアピールする。これでどうでしょう(笑)。


──なるほど。今度やってみます!


溜池 ファーストインプレッションといえば、ナンパが得意な男優さんにコツを聞いたら、とにかく自然に話かけることが大事だと言ってましたね。下心を見せずに、まるで友達に挨拶するように普通に「こんにちは」と声をかけること。そこまでの境地にいくのが大変なんだと。ナンパ指南の本をたくさん読んで「よし、いい女をナンパしてやろう!」と意気込んでするのが一番まずいよね。


──何事も自然体であることが大切なんですね。無理をせず、あるがままに生きる。たかが童貞で悩んでいる自分は、なんてちっぽけなんだろうと思えてきました。


溜池 そうそう。僕は、例えば老人になったとしても悩んだりしないし、逆にそれをウリにして「老人ハメ撮り監督」なんて呼ばれたいね。70歳すぎたらどんどんナンパしてハメ撮りしてやろうと思っているし、普通に柔術やったり、サーフィンしたりして楽しみたいね。


──ボクもヨボヨボになってもアイドルの握手会に行きたいと思います! 本日はありがとうございました。



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『モテの流儀—モテる男の何気ない習慣—』
溜池ゴロー/アスペクト刊



(この記事はコアマガジン刊『スーパー写真塾』からの転載です)

溜池ゴロー
1964年生まれ。AV監督。「美熟女」という概念をつくり出し、熟女モノというジャンルをAVのシーン内に確立させた立役者。現在AVメーカー・溜池ゴロー代表。本誌8月号の本コーナーに登場した元AV女優・作家の川奈まり子とのおしどり夫婦っぷりも有名。最新情報は公式サイトをチェック(URL→http://www.tameikegoro.jp/)。




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