コイトゥス再考 江川達也 後編

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コイトゥス再考 #12

江川達也・後編

宮崎駿のスカトロ的淫靡を巡って

文/辻陽介 写真/久田悠


この八島、いかに個の時代となれど「出る杭は打たれる」という因襲の桎梏は依然根強し。

テンガと電マという現代エロのメルクマール的技術が市井の性愛事情に与えた影響、そして来たるポストエロスの時代、アダムとイブの楽園へと思いを馳せた前編に引き続きお送りする江川達也インタビュー。

後編は便秘症とスカトロジーをキーワードに、宮崎駿作品がもたらす「無意識な悪の増殖」、「パターナリズム助長」について、また自身の作品『まじかる☆タルるートくん』に隠されたオトナの事情、さらには『東京大学物語』においてパフォーマティブに示された反物語の哲学について、悪意を込めてお届けします。

アンチの方にこそ読んで欲しい。

江川達也、この人めちゃくちゃ面白いんですけど、なにか?



江川達也前編を読む


ー宮崎駿監督作品については以前から批判されてましたよね?

江川 いや、批判はしてないですよ。正しく理解してるんです。正しく心理分析をしてるってだけ。『崖の上のポニョ』で主人公の男の子がポニョのお腹を触ってるシーンなんかは、内山亜紀も真っ青な世界ですよね。『千と千尋の神隠し』でも千尋は幼女なのにコキ使われてさ、なんだか精液やら愛液やらが混ざり合ったかのようなウニャウニャした液体の中に溺れて「いやー」とか言ってるわけで(笑)。その狂ったエロスにびっくりするっていうかね。

ー逆に考えて、極上のフェチエロ作品として評価できるってことはないですか(笑)

江川 評価はしてますよ。ただ卑怯なんだよね。エロじゃないように見せてエロをやるっていうことが。その何がいけないかって言うと、自分がひどい人間だってことに、皆が気付けないんですよ。自覚的になれない。

―無自覚な悪を増殖しかねない、と?

江川 そう。つまり、人のことを殴りながら、「俺はお前に優しくしてるんだ」って言うような人間は作っちゃいけないでしょってこと。そういう人は何を言っても無駄じゃないですか。殴っていても正義屋気分でいるような人間を生産する作品というのはどうかと思うよね。

ーなるほど。

江川 宮崎駿のアニメは「私たちは悪くない」みたいな構造があるんです。言わばお母様方や良識派のポルノですよ。

ーしかも全くの安全地帯から鑑賞可能ということですよね。

江川 そう。で、そういうのを好む人っていうのは大体ヒステリックに他者を攻撃するんです。あるいは、宮崎アニメがそういう人間を産むよねっていう。さらに言えば、そういう人はすごい迷惑だよねって話。強姦してるのに、「いや、これは和姦だ」って言う人間はやっぱ危険だよ。まぁ例えばアグネス・チャンみたいな女なんだけどね。

ー(笑)

江川 あの人ってなにかとヒステリックに自己主張するじゃなですか。それはまさに暴力的に人を支配したいと思っているということなんです。「法律でどうにかして欲しい」って言ってるのはつまりそういうことですから。しかも自覚がない。自分の傲慢を他人に押しつけて、それが善だと信じている。

?いわゆるパターナリズムの問題なんですかね。宮崎アニメはパターナリズムを助長しかねない、と(笑)

江川 ちょっと話は逸れるけど、以前、テレビで「家庭の医学」を見てて、アグネス・チャンは便秘症らしいということを知ったんですね。実は俺は前から、この手の人間は大抵便秘だろうと思ってたんですけど、やっぱり便秘だった(笑)

―便秘って関係あります?(笑)

江川 要はだよ、男だったら分かると思うんだけど、オナニーするなりなんなりで精子って出るじゃないですか。それは止められない。仕方がないんですよね。つまり、男は自分の中にそういうものがあるってことを生理的に自覚せざるをえないんですよね。でも女の人はその自覚がない。「美しい私からそんな汚れたものが出るはずがない」という意識、まぁ換言すればオシッコとかウンコとかを憎悪してるとこがあるんですよ。「なんでいやらしいこというの!」っていう言葉は、つまり「なんでウンコとかオシッコとかすんの!」って言ってるのと同じなわけで。こちらとしては「だって出ちゃうんだもの」という話。

―そこは抗えない生理ですからね。

江川 でしょう。普通に考えれば、本来はブリブリウンコした方がいいんですよ。しかし、そういう連中は無意識において排泄物への憎悪があるから便秘になっていくんです。

ーウンコをする「私」を肯定できないという(笑)

江川 そういう潔癖な女性には便秘が多いんですよ。しかも傾向としては、その手の女に限ってスカトロ方向に走るんだよね。

ー分かり易いリバウンドですね。

江川 まぁそれにはある種の解放が必要でさ。ただ、うまく解放してやると、アナルが感じるようになり、また便秘も改善し、肌の艶もよくなる。

ー救済されるわけですね。

江川 まぁ実際に何人か救済しましたけど…。冷え性も治って、血行も良くなる、つまり循環が良くなるんですよね。エロも循環じゃないですか。頭の中で強引に止めてしまうと鬱屈してあらぬ方向に走ってしまう。だって便秘の女ってどう考えてもめっちゃ汚いじゃないですか。ウンコ含有量が非常に多いわけだから。

ーウンコ含有量(笑)

江川 その点、エロの禁止というのは生態系の循環を疎外するような思想ですよね。禁止というのは飽くまでもプレイとして楽しめる程度がいいんです。勃起を促す程度の禁止ですよね。いわば我々は性をコントロール、秩序をコントロールする立場に立たなければいけないわけで。話を戻せば今回の都条例なんかは単なる暴力ですから、闇雲に押さえつけたりすると、いつか溜まりに溜まったウンコ袋がバーンと爆発しかねない。

ー「ひとまずはアナルプラグ差しとけばいいか」みたいな考えだとまずいってことですね。


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