ケロッピー前田の変態カタログ★リターンズ41
メガネ
GIRLS WITH GLASSES: BIZARRE GLOSSARY by KEROPPY MAEDA
さて、今回は「メガネ」についてのエロティシズムについて考えてみようと思うのだが、これがなかなか難しい。
だいたい街を歩いて見ても、日本はもともとメガネ人口が非常に多い。コンタクトを常用している人も含めれば、日本は本当に視力が悪い人が多いのだ。まず第一に、男の近眼率が高いから、「メガネ」を掛けている女に親近感を感じてしまうところもあるだろう。
さらに一方で、「メガネ」を掛けている女の子は実は凄くエッチでド変態なんじゃないかという妄想がある。「メガネ」の女教師が実はふしだらな淫乱牝であったとか、クラス一番秀才の「メガネ」少女が誰もいない教室でオナニーしているところを目撃してしまったとか、あるいは超美人の女の子が実は目が悪くて「メガネ」を掛けている姿をたまたま見てそそられてしまったとか。このような妄想はAVの世界で、「メガネ」を小道具として演じられてきた。とはいえ、プレイのときに、彼女に伊達メガネを掛けさせてまで、「メガネ」のエロスを追求しようという愛好者が、実際にはどれほどいるだろうか、そんな大きな疑問があるのもまた事実である。
ここで整理するなら、「メガネ」に対するエロティシズムは、欲情の対象となり得る女をより複雑に演出しているに過ぎないと思えるのだ。実際「メガネ」は女にだけ特化されたアイテムではないから、「ハイヒール」や「ミニスカ」に見られるような物神崇拝的なフェティシズムにまでは至らないだろう。
確かに、その昔、AV女優・野坂なつみが「メガネ」のエロスの象徴として人気を得たが、彼女の「メガネ」は伊達であり、本当の意味での「メガネ」のエロティシズムを体現していたとはいえないのだ。
ところで、「メガネ」嫌いの欧米でも、ネット時代となって、人気ブロガーの素人ネットアイドルたちに「メガネ」っ娘が多いことから、新たな妄想が膨らんでいる。古くは「ナード」、最近では「ギーク」と呼ばれる彼女たちは、以前、当コーナーで紹介したタトゥーをした素人ギャルサイト「スーサイドガールズ」にも集結中。「メガネ」を掛けた女の子たちが裸になると全身タトゥーまみれ、そんな新たな欲情のスタイルも生まれているのだ。
実際、そんな激しすぎる“ギャップ”こそが、「メガネ」のエロティシズムの醍醐味だと思うのだがどうだろう。
●美女に「メガネ」を掛けさせたら? そんな妄想を実践したのが『デジモノステーション』連載の「ビジョメガネ」。プロフィールに彼女たちの視力が記されているのがいい。
●もともとエロの世界では「メガネ」はエロティシズムを減ずるとして排除されてきた。だが一方で、「メガネ」は内向的な性格を象徴する小道具として、映画やドラマでは世界共通によく用いられてきた。
ケロッピー前田
1965年生まれ。身体改造、サイボーグ、人類の未来をテーマに取材を続ける。主な著書に「スカーファクトリー」(CREATION BOOKS)、監修DVD「ボディ・モディフィケーション・フリークス」(ワイレア出版)など。ツイッター「keroppymaeda」にて改造イベント情報など発信中。keroppymaeda.com
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