ケロッピー前田の変態カタログ★リターンズ43
ボディ・ペインティング
BODY PAINTING: BIZARRE GLOSSARY by KEROPPY MAEDA
「ボディ・ペインティング」は、公共の場で“裸”を見せるための“視覚的なオブラート”である。それは、女の子たちの「見られたい」という露出願望をアートの名のもとに解き放つ、エロティシズムを刺激する行為の一つとして解釈することもできる。
最初に、「ボディ・ペインティング」が、「タトゥー(イレズミ)」と混同されて語られることを解決したい。特に人類学の世界では、身体に何かしらのデザインを施す行為について、永続的なものをタトゥー、一時的なものを「ボディ・ペインティング」と説明することが多い。実際、部族の儀式などで施される「ボディ・ペインティング」の紋様と同じものが、タトゥーとして施される場合もある。また、古い人類学的資料では、絵や不鮮明な写真で残さた記録が、タトゥーなのか、「ボディ・ペインティング」なのか判別できない場合もある。しかし、実際に身体に彫る行為は痛みも伴い、全身を覆い尽くすものであれば、仕上げるまでにかなりの期間を要するものであり、「ボディ・ペインティング」とは全く異なる行為なのである。では、「ボディ・ペインティング」におけるエロティシズムとは何だろう。
「ボディ・ペインティング」は、多分に露出プレイ的なウエイトが高い。以前、マニア撮影や投稿で「ペイント水着」が話題となったときがあった。大勢の海水浴客で溢れる砂浜に、ビキニをペイントされた女が登場。遠目ではわからなくても、少し近寄れば、それがペイントであり、実は全裸同然であることは明らかだ。その衝撃こそが、「ボディ・ペインティング」が持つエロティシズムの優れた実践例だろう。
2010年のロシア取材で「ボディ・ペインティング」の最前線を目撃するチャンスを得た。素人の女の子たちが、見られたい気持ちから、我れ先にと服を脱ぎ捨てて、ペイントされる姿に感動。カラフルにペイントされた姿は、ちょっとアーティスティックすぎるかもしれないが、しばらくして目が慣れてくれば、乳房の形状から腰廻り、綺麗な脚線と背
中から尻へと流れるボディラインまで、しっかりと堪能できる。事実、裸同然なのである。見ているこちらまでハラハラ、ドキドキするのは、女の子たちのデリケートなエッチ心が伝わってくるから。ペイントされた姿を公衆に晒す快楽、実は“裸”であるという無防備さが、彼女たちをますます輝かせるのだ。
ケロッピー前田
1965年生まれ。身体改造、サイボーグ、人類の未来をテーマに取材を続ける。主な著書に「スカーファクトリー」(CREATION BOOKS)、監修DVD「ボディ・モディフィケーション・フリークス」(ワイレア出版)など。ツイッター「keroppymaeda」にて改造イベント情報など発信中。keroppymaeda.com
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