ヒロイン手帖 × 町田ひらく 2

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?少女とセックスできて当たり前。そんな世界は望んでいません。社会にも個人の内面にも「壁」はあるべきです



街で見かけた上玉を凝視して、イメージすることは様々だ。


「家族連れだったら“相手は父親かよ”とか。後ろ姿を見て、お尻ってこれぐらいだよなーと、大きさを両手で推測して、それを自分の股間に持ってきて妄想したてみたり」


だからといってもちろん実行するわけではない。妄想の世界。


「小学生とエッチすることが当たり前という世界はイヤなんです。そこを乗り越える、道徳を壊すために頑張る……とまではいかないんですけど、たとえ漫画とはいえ、そう簡単に目的に辿り着かせないぞ、と。そういう心の葛藤を考えなら漫画を描いています」


町田作品の中で主人公の男性はいつも苦悩している。一方で美少女は、どこか達観したような目でロリコン男性たちを見ている。


「わかりやすく言うと、ドキュメンタリーを描いている。こういうアプローチのときはこうなる……。まず“やった”という想像上の事件があって、それを追った再現ドラマですね。そうするとあんまり明るい話にはなりませんね。ただ、そういう方法だとネタは尽きることがないんです。(町田作品は)サブカル的に取り上げられることがあるんですけど、そういうアプローチだからそう見えるのかもしれない。僕自身はそんな枠(サブカルジャンル)に入るとは想像していなかったけど」


ロリコンとは一種の病だという認識の一方で、実は誰にでもその要素は備わっていると言う。


「30歳、40歳、50歳になって初めてロリコンのスイッチが入って、その年からロリコンになってしまう人もいると思うんです。実際、結婚して子供をつくって、まだロリコンと言い続ける人もいるし。スイッチはみんな持っていると思うんですよ、すべての男が。


昔、漫画にも描いたことがあるんですけど、女って子供の頃から男がそそるものを持っている。男には小さい頃には筋肉もないし、精悍な横顔も、性欲もない。ところが、女の子は幼稚園児だって髪の毛や服装に気を遣う。髪の毛フェチの男であれば、ロングで手入れの行き届いた髪の毛を風になびかせている少女がいれば、嗅いでみたくなると思う。


女の子が着飾るのは別に男を誘うためにではなくて本能ですよね。そういうものを生まれたときから備えている。男は年齢を重ねて独特の性欲を育んでいく。だから、たとえば美人が好きだったら、相手が何歳であっても、ある日突然、目覚める可能性はあると思う。極端な話、自分の娘に対して女を感じる瞬間もあるでしょう。男はスイッチを持っているんです。それがいつ出るかは、わからない」


深い思想である。




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※「アルマゲスト」(小社刊『ANNE FRIENDS』収録)より






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