ヒロイン手帖 × 器具田こする 2

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-法律がコミュニケーションを遮断し一方でジュニアアイドルだとか少女のイメージは大量に流通している。そりゃロリコン犯罪も起こります



「なんでも商売が絡んでくると、おまえらロリコンはこういうことを描けば喜ぶんだろ、こういう写真がいいんだろ、というような作為的なものが見えてダメなんです。作為的であるかどうかというのはとても重要なんですね」


偽物が作ってると?


「本当に小学生のモデルが出ていたとしても、こういう格好させると喜ぶんでしょ? みたいなものが見えるとイヤなんですよ。システマチック化された環境で制作されて、こういうものだよと提供されている。そういうことをされると、ロリコンとしては〝ナメるなよ〟と。大人のAVもそうなんですけど、プロと素人というジャンルがあって、素人はある種のプレミアムな意味合いがあると思うんですね。素人というか普通の人……。〝プロの少女〟なんておかしいでしょう。そういう意味でジュニアアイドルってヘンでしょう」


そういう中で「この子はホンモノだ」と発見する喜びはないのか?


「素材はね、素材としていいとは思うんですけど、写真集は撮る人との関係性が出てくるでしょう。よく、写真家は撮影中に恋愛しなくちゃいけない、とか言うじゃないですか。でもそれで本当に自分の趣味だけで突き進んでいったら、こっちはオナニーを見せつけられている感じがして面白くない。自然に自分自身の視点となるような、偶然に出会って……という流れを見せてくれる写真家はいないですね。そもそもが寡占というか、同じ写真家が撮っているでしょう、ベルトコンベアー的に。それはどうかなぁ……ナメるなよ、となるんですよ」


お気に入りの写真集を見せてもらった。昭和63年発行の『そっと抱きしめて』という写真集。


「芸名がついているけど日本人じゃないと思うんです。これは、偶然出会った少女と仲良くなり、徐々にプライベートなところに入り込んでいくという構成なんです。こういう見せ方ですね。設定なんだろうけど、違和感なくそういうのを見せてくれる写真集は、いまはないです」


それは被写体が好みということもあってのこと。


「私としては、こういう痩せ形が好きなんです。胸的に、あばらが浮き出ているくらいが好きなんですよ。人形を作る仕事をしている関係上、とても参考になります。だから『うぶ』さんの場合、若いんだけどおっぱいがあって……という路線は私の趣味的にはちょっと違うかな。ロリコンさんもいろいろいますから、私的な感想なんですけど」


ホンモノを喜ばせる商品は、いまの世の中にはない。なぜなら、ホンモノを喜ばせる商品を作ったら、当局から叱られるからである。それがまた、器具田氏の大きな嘆きの原因なのである。


「まあねえ、ロリコンさんとしては普通の身近な女の子と知り合う機会があれば、別に写真集だDVDだという商品は関係ないんです。でも、その手段がいま閉ざされている。普通に挨拶をするだけで捕まったりする条例がある時代ですから。異常ですよね。完璧に絶たれているわけですよ。そうでありながら、ジュニアアイドルとか、イメージだけが流行して、現実とのギャップだけが広がっている。犯罪も起きますよ」


14歳とか15歳とか、年齢重視の流れにも一言ある。


「それもイヤな部分なんです。12歳とか13歳とか書けばロリコンさんが喜ぶとでも思っているのか!」


恐縮する偽物制作者たち。


「だいたい現代の小学生って、もう〝あばら〟じゃないんでしょう。年齢萌えってあるんですけど、本当は年齢じゃないんですよ。12歳という数字だけで買うというのは偽物だと思うんです。だから逆に言えば、ちょっと年齢いってても、体つきがそうであれば(あばらが浮いていれば)いいんですよ」


素人の素朴な疑問として「よく毛が生えてきたらもうダメ、といわれますが?」と質問してみる。


「それはまあ……良くないですね。見た目の問題でね。でも付き合うのとはまた別の問題ですから」


先の「ロリコン論」に書いてあったように、恋人に毛が生えたから捨てる……なんてことはしない。


「自分に彼女ができたらアイドルなんか必要ない。でもそれが絶たれてアイドルしかいない状態。そのアイドルはどうしようもない。耐えられないですよね」


言うまでもないことだが「恋人」の対象は「少女」である。


「いまの世の中、人を見た目だけで判断せざるを得ない状態になっている。写真集、DVD……。しかも耐えられないのは、それは誰か別の人が撮っているということ」


やるせないこの気持ち……。器具田氏は「格差社会」と呟いた。


「撮っている人はいつもそばにいられる。見る人は、いつも提供されたものを黙って受け入れるしかない。その距離たるや……。格差社会ですよね。それも(商品に向かって)ナメるなよと憤慨する理由です」


我慢するしかない。この世から抹殺されようとしている社会の中で。



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-バカをやって自分のメディアを持ってパンクスピリットで体制と戦っているんです。矛盾を孕んだ自爆テロと解っていても



「だからそういう理不尽な世の中にとても腹を立てていて、だったら私はもうパンクな生き方をしようと。反抗してやるぞと決めたんです」


具体的にどのような反抗の手段に出るのか。冷や冷やしながら聞く。


「たとえば……一生結婚なんかしてやるものかと。結婚しないと子供が生まれない、そうすると少子化が進んで、国は崩壊するんです。オナーマシーンはその産物なんです」


一同、思わず笑ってしまった。しかし器具田氏が真面目に言っているようにも見えるので、失礼かと思って姿勢を正す。


なるほど。一種のテロですね


「テロです。オナーマシーンとラブドールがあればもう生身の女体なんかいらない。結婚しない男を増やして、悪法を作って私らを追い込む国家に対して、子孫繁栄の妨害という行為をしている最中なんです」


崇高なる思想のもとに生まれたオナーマシンであった。頷きながらも、素朴な疑問を田原口調で聞く。


「しかし器具田さん、極端な話、このテロ活動が大成功を収めて日本に子供がいなくなった場合ですね、あなたの好きな〝あばらの浮いた小学生〟が、いなくなるということなんですよ。それでいいんですか!」


器具田氏は深くうなだれた。


「そうなんですよね……矛盾していることはわかっているんですけど他に方法がないんですよ……」


苦悩は深刻である。そして言う。


「私はこうしてバカに成りきって社会に向けて言いたいことを言えるからいい。だけどそのような手段を持たないロリコンさんたちは、犯罪に走っても不思議ではない。いま国家権力で恋愛の邪魔をされているようなものですからね」


事態も深刻である。



器具田こする(きぐた・こする)

1969年生まれ。95年よりハイテクアダルト部門に参入。2005年「器具田研究所」を発足。電動オナニーマシン開発、ラブドール開発支援などに携わる。現在は主に小社『アイドロイド』で活動。その個性的なキャラクターと独創的な開発器具が『SPA!』などの総合情報誌で取り上げられることも多々あり。

リンク 器具田研究所

このインタビューは2009年うぶモード5月号の転載です。