?魔ゼルな規犬もまたかつて少年であった
―ところで、現在は中二病の魔ゼルなさんが、実際に中学生だった頃というのはどのような少年だったんですか?
魔ゼルな規犬 よく覚えています。それこそ中学二年の頃は、テレビの前にずっといましたね。テレビの前で楽な姿勢をとり「シコる」を一杯していました。とにかく、シコれる時にシコるという感じでした。当時はCMでもシコれた時代で、シコるチャンスを探すため、ずっとテレビの前で過ごしてました。中学の時はそんな少年でした。
―生身の女性にアタックする、というようなことはなかったんですか?
魔ゼルな規犬 男子校でしたからありませんでした。満員電車などに乗っても、当時は臆病でしたので痴漢などするということもなかったです。それをするようになったのは30代になってからです。
―痴漢ですか。
魔ゼルな規犬 大人になってからです。
―それはさておき、中学生から電車ということは私立の学校に通われていたんですか?
魔ゼルな規犬 そうです。
―中学受験をされたんですね。
魔ゼルな規犬 そうです。小学校6年の時に親族に勉強をさせられました。ただ試験を受けた結果、落ちたんです。しかし、なぜか翌日くらいに「補欠入学できました」ということを言われました。完全に裏口入学です。親が持ってたんですね、その頃。
―お金ですね。
魔ゼルな規犬 完全にそうです。入れたもののやはり裏口ですので、勉強には付いていけず、常に下から二番目くらいを維持していました。
―勉強よりも「シコる」に専念していたんですよね。
魔ゼルな規犬 そうです。あと改造した空気銃で遊ぶのが好きでした。庭の鳥を目掛けて射撃するということを毎日していました。それにより、家の周りに鳥が全然いなくなりました。
―そうですか。
魔ゼルな規犬 はい。当たると落下するんです。その場合、落ちた鳥を見に行こうと、外へ出てゆくんですが、その地点に行ったら鳥がいないということがあります。一回気絶してまた復活していたんですね。ただある時、自宅のテレビのアンテナに青い鳥が止まっておりまして、「これはチャンスだ」と思い、即座にライフルを取り出し射撃を致しましたところ、首元に命中しまして、玄関に落下し、殺してしまったことがありました。
―幸せの青い鳥を殺してしまったんですね。
魔ゼルな規犬 そうなんです。それがトラウマとなっています。本当ならそれを食べたらよかったんです。しかし、出来なかった。また、死体の掃除までもクソガキであった私は自分で出来ずに、誰か他の人間に任せてしまいました。私にはそういうトラウマがあります。青い鳥が近くにいたことに気付かなかったどころか、殺してしまった。呪われてしまった気がします。
―余りお友達はいなかったんですか?
魔ゼルな規犬 いなくもなかったんですが、なぜか不良に目を付けられまして、たまに遊んで頂いていました。ただ、その遊び方というのがジッポのオイルを手足にかけられ火をつけると燃え上がるといった、そういう遊びでした。雑魚寝などしていると、足の裏に極度の熱を感じ目が覚めるということもありました。煙草を押しつけられていました。そういった事をして遊んでもらいまして、しかしそれでもなお私は充実していました。それは彼らが道端のスクーターを盗むなどの、私が「かっこいい」と思っていた事をしている人達だったからです。学校生活は大忙しで、やはり「パンを買いに行く」などに専念しておりました。
―定番ですね。
魔ゼルな規犬 非常に充実感がありました。
―「悔しさ」などはなかったんですか?
魔ゼルな規犬 私自身は憎んではいないです。彼らに憧れていましたので、また遊んで欲しいと思っております。
―そうですか。ところで、その頃から音楽はされていたんですか?
魔ゼルな規犬 中学三年生の頃にドラムなどを始めました。当時、私は太っておりましたので、太っていますと、サッカーなどではキーパー、バンドですとドラムとなるわけです。当時流行っていたLAUGHIN' NOSEやBOOWYなどのコピーバンドのドラムをやれと言われ、させて頂いておりました。
―魔ゼルなさん自身、そこらへんの音楽を主に聞かれていたんですか?
魔ゼルな規犬 中学3年の駆け出しの頃はそういうのを聞いていました。ただ私には兄がいまして、その兄というのが『花とゆめ』という雑誌を読んでいるような濃いオタクで、コミケなどにもよく行っておりました。兄は音楽にも造詣が深く、音楽通が聞くような音楽を私に教えてくれまして、また兄と共にバンドもできまして、高校の頃は兄とノイズ系のバンドをやっておりました。有り難いかぎりです。
―お兄さんからの影響だったんですね。
魔ゼルな規犬 今の活動も含め、全て兄の受け売りの延長線上です。有り難いかぎりです。
―不良の方々とのバンドは長くは続かなかったんですか?
魔ゼルな規犬 そうですね。やはり彼らは早く「結婚」などを致しますので。彼らにとっては「バンド」などというものは一時期のものでしかありませんでしたから。また、兄などと一緒にバンドをやっていく中で、彼らとの音楽への温度差を感じ、多少辟易していたという部分もありました。私自身からも、よりイジメられるような、ハブられるような発言が目立つようになり、結果としてハブられていったという状況があったと思います。今で言う「DISる」というようなことをやってしまったのだと思います。そこからは仲間はずれという、最も苛酷な状況になりました。
―彼らのためにパンを買いに行くこともできなくなってしまったんですね。
魔ゼルな規犬 そうです。無視が一番ひどいと思います。
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