都築響一 妄想芸術劇場 第四十四回

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写真が瞬間芸だとすれば、イラストは独演会だ。

観客ゼロの高座で2時間、汗みどろで語りつづける脳内の発情ランドスケープだ。

写真ページの添え物とさげずまれ、アートともイラストレーションとも漫画とも

認知されないまま、ひっそりと増殖する陰花植物。

欲情の、淫夢の、妄想のもっとも純粋なあらわれとしての、マイクロ・ニルヴァーナ!






# 4 4 夢 男 2



先週に続いて送る「夢男」の後編。最近のシャープでクリアーなデジタル・エロ画像ではなくて、かつて温泉街の片隅で売っていた、ぼやけたモノクロのエロ写真・・そんなレトロな味が、夢男の絵には漂っている。


いったい、いくつぐらいのひとなんだろうか、このひと。




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「おなか空いたでしょう。何か作るわね」
全裸の上にピンクのエプロンだけをつけ、台所に立つ新妻の股間は先程の燃えるような愛戯に花蜜を溢れさせ、濡れ光っている。エプロンだけをつけた裸のお尻がクネクネとエロチシズムを醸しだしている。




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「露出電車」
可愛い美少女はノーパン、ノーブラおまけにスケスケのブラウスにピンクの乳首が透けて見えている。
電車が郊外に差し掛かり御客さんが少なくなってくると、
スカートを持ち上げ、可愛い割れ目ちゃんを晒してくれる。
人気ものの露出美少女である。




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「女子高校生 下着検査」
ハイミスの女教師とブスの風紀委員のガリ勉少女による美少女いじめが今日も行われる。
目に見える所は校則で厳しく規制されていため、少女達は下着に凝る。
レースのスキャンティ、カラフルなモノ、ヒモパン刺激的なものが多い。
美少女はピンクのヒモパンを「そんなはしたない、脱ぎなさい」と、
むりやり皆の前でパンティを取らされる。




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「おい、見ろよ。○×高のチアガール、ノーパンだぜ」
「皆におしえてやらなくちゃ」
「○×高なんかにゃ負けられないわ」
「わたしたちもパンティ取っちゃいましょうよ。
ついでにヴラジャーも取っちゃおうよ。フレー、フレー、○○高」






都築響一
1956年、東京生まれ。現代美術、建築、写真、デザインなどの分野で執筆活動、書籍編集。93年、東京人のリアルな暮らしを捉えた『TOKYO STYLE』刊行。96年、日本各地の奇妙な新興名所を訪ね歩く『珍日本紀行』の総集編『ROADSIDE JAPAN』により第23回木村伊兵衛賞を受賞。 97年?01年『ストリート・デザイン・ファイル』(全20巻)。インテリア取材集大成『賃貸宇宙』。04年『珍世界紀行ヨーロッパ編』、06年『夜露死苦現代詩』、『バブルの肖像』、07年『巡礼』、08年『だれも買わない本は、だれかが買わなきゃならないんだ』、10年『天国は水割りの味がする~東京スナック魅酒乱~』など著書多数。現在も日本および世界のロードサイドを巡る取材を続行中。






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